ミャンマーのタイ国境近くで日本人を含む外国人が監禁され、特殊詐欺に加担させられている事件で、21日にも約300人の中国人がタイに引き渡された。また、特殊詐欺に関わった疑いで30代の日本人の男が、帰国後に逮捕された。
一方、日本人の高校生2人が一時監禁され、特殊詐欺などに加担させられていたことがわかり、「拠点には10人から12人の日本人がいた」などと話しているという。
タイ国内で身柄拘束の39歳男を帰国後逮捕…特殊詐欺に関与か
ミャンマーのタイ国境近くで、日本人をはじめ多くの外国人が監禁され、特殊詐欺などに加担させられているとみられる事件で、21日も約300人の中国人が、タイ側に引き渡された。

ミャンマーの犯罪拠点には、日本で準暴力団に指定されている「チャイニーズドラゴン」の関連グループが関与しているとみられることが新たに分かった。

また特殊詐欺に関わった疑いのある、30代の日本人の男が、帰国後逮捕された。
21日朝、茨城・取手署を出て、警察車両に乗り込む男は、職業不詳の田久保宏章容疑者(39)だ。

2022年にコカインを使用した容疑で逮捕状が出ていた田久保容疑者は、タイ国内で身柄が拘束され、FNNのカメラがその姿を捉えていた。

田久保容疑者は、ミャンマーに密入国した疑いで、2月6日、タイ当局がタイ・メソトのショッピングセンターにいるのを見つけて拘束した、4人の日本人のうちの1人だった。

田久保容疑者は20日、成田空港に到着した直後に茨城県警によって逮捕され、21日送検された。
警察は、ミャンマーでの特殊詐欺への関与についても事情を聞く方針だ。
「毎日18時間働かされ給料はゼロ」外国人1万人以上監禁か
ミャンマーでは、中国系犯罪組織の拠点に、日本人を含む1万人以上の外国人が監禁され、特殊詐欺などに加担させられていると見られている。

映像では監禁されていたカメルーン人の男性が「毎日18時間も働かされているのに給料はゼロだ。奴隷時代に戻ったような生活をしている」と被害を訴えている。

ミャンマーでは、愛知県の16歳の高校生と宮城県の17歳の高校生が一時監禁され、特殊詐欺などに加担させられていたことがわかっている。

高校生は「半年ぐらいの仕事。気に入れば延長もできる」と誘われたという。

愛知の高校生はボートに乗せられて川を渡り、ミャンマーに連れて行かれたと説明している。

捜査関係者によると、愛知県の高校生は、インターネットで知り合った人物から「海外でやれる仕事がある」と誘われ、2024年12月、タイに入国した。

ところが、「タイの空港に着いたら、待っていたクルマで国境近くの街に連れて行かれた。その後ボートに乗せられてミャンマーの拠点に連れて行かれた」と話している。

ミャンマーの特殊詐欺の拠点では、いくつかの班に分けられ、警察官などを語る詐欺の電話をかけさせられていたとみられている。

高校生は「命令に背くと電気ショックによる暴行を受ける人を見た」と話しているが、自身は一度も電気ショックは受けなかったという。

その後、高校生は助けを求めるため、父親に拠点の位置情報を送信。家族がタイの日本大使館に連絡し解放につながったという。

また、宮城県の高校生は、タイで身柄を拘束された藤沼登夢(とむ)容疑者とオンラインゲームを通じて知り合い、タイへ誘い出され連れ去られたとみられている。

「直属の上司は日本人だった。拠点には10人から12人の日本人がいた」と話しているという。

愛知県の高校生も、「10人くらいの日本人がいた」と話していて、タイ当局は少なくとも20人以上の日本人が犯罪拠点で監禁されているとみている。
(「イット!」 2月21日放送より)