山形市出身の19歳、小林利徠斗さんが世界で活躍するプロレーサーを目指し挑戦を続けている。今シーズン参戦するカテゴリーの開幕を2025年3月に控え、掲げる目標と決意を聞いた。
目指す先は世界 協賛企業も期待
2025年2月15日、自動車販売店のネッツトヨタ山形から小林利徠斗さんにレースの活動資金として、協賛金50万円が贈られた。

小林さんは「モータースポーツはお金も人の関わりも含め、様々なものが必要になってくる。その中の1つとして企業との関わりも非常に大切。支援は大切にしたい」と話す。
小林さんは高校3年生だった2023年、トヨタのレーシングチームのスクール生としてフォーミュラレースの登竜門「FIA‐F4選手権」のシリーズチャンピオンに輝いた。

その実力を認められ、2024年はチーム所属の育成ドライバーとなり、フォーミュラレースの国内2番目のカテゴリー「スーパーフォーミュラ・ライツ」に参戦。
さらにスーパーGTやスーパー耐久シリーズなど、腕を磨くための様々なチャンスをつかんだ。
小林さんの目指す先は、世界で活躍するプロのレーシングドライバーだ。

ネッツトヨタ山形・高橋修社長は「1戦1戦、勝ったり負けたりあるかもしれないが、その中で少しずつ着実に成長してほしい。今年20歳、今からの可能性は無限大だと思うので頑張ってほしい」と期待を込める。
レースで経験重ねシリーズ2位に
2024年の「スーパーフォーミュラ・ライツ」の開幕戦。F4からステップアップしたばかりのデビュー戦だったが、予選を1位通過し周囲を驚かせた。
決勝も優勝争いに絡むレースを期待されたが、予選2位で同じ育成の先輩ドライバーにブレーキングで簡単に交わされ、経験の差を見せつけられた。

TGR-DCドライバー・小林利徠斗さん:
短い距離でブレーキを強く踏むことはあるが、接近戦の時の相手を抜くためのものすごく強くかけるブレーキもまた違う種類なので、そういう経験がなかった部分が浮き彫りになった。相手は飛び出すこともなく普通に曲がって行ったので“そんなことができるんだ”と。
負けたからこそ、得るものは大きかったと振り返った小林さん。

その後のレースでは、持ち前の速さに失敗から得た経験を加え、3度の優勝を重ねた。
初参戦ながらシリーズランキング2位の成績は、自身も納得のものだった。

TGR-DCドライバー・小林利徠斗さん:
そのレースで自分が何をしたいのか、予選を決めたいのか、素早く車のセッティングを見つけていきたいのか、レースで安定したいのか。他人と比較するし、されるスポーツですけど、その中で絶対的な自分の中の実力を上げることに重きを置いていたので、それが結果につながってきているのは良かった。
さらなる高みへ チャンピオン目指す
参戦2年目となる今シーズンの目標はもちろん、シリーズチャンピオン。
成し遂げれば、国内最高峰のフォーミュラレース「スーパーフォーミュラ」へのステップアップがほぼ確実になる。

「やっているレースの内容もどんどんレベルが上がっていくので、求められるものも高い領域にある」と話す小林さん。
「絶対的な実力の向上というところを、今年もう一度、さらに高い領域を目指して、シリーズチャンピオンという結果も含めて目指していきたい」と意気込みを語った。

世界で活躍するレーサーを夢見る小林さんの挑戦、「スーパーフォーミュラ・ライツ」は3月7日に開幕し、年間18戦を戦う。
小学6年生の時に初めて取材してから、着実にステップアップしている小林さん。今後の活躍に期待したい。
(※ネッツトヨタ山形・高橋修社長の「高」は「はしご高」)
(さくらんぼテレビ)