コメの消費減に反して、ふりかけの2024年の売上は過去最高額に達する見込みだ。節約志向や高級志向、外国人観光客の需要も後押しし、多彩な商品展開が人気を支えている。現在、少なくとも国内で1000種類以上のふりかけがあるという。
多様化するふりかけの味…メーカーとコラボも
備蓄米の放出などコメに関するニュースを耳にするが、コメの消費量は年々減少傾向にある。一方で、ふりかけの売り上げは右肩上がりで、2024年は販売額が過去最高の575億円に達すると言われている。最新のふりかけの魅力に迫った。

訪れたのは埼玉・所沢市のKITANO ACEエミテラス所沢店、一角にあるのはふりかけ特設コーナーだ。取り扱っている商品数を伺った。
KITANO ACE エミテラス所沢店・深堀達郎店長:
常時200種類取り扱っております。ここ数年でかなりふりかけの種類も増えてまして、ふりかけの需要が高まるといろんなコラボを出してきたりするので、追いつかないぐらいですね。
コメの需要量は減少している中、ふりかけの売り上げは上昇を続け、2024年は過去最高の販売額575億円に達する見込みだ。ずらりと並んだ商品を前に小学生の男の子が選んだものを聞いた。
7歳の男の子:
カラムーチョ、おいしそうだから。
様々なメーカーとコラボした“再現ふりかけ”だ。人気のCoCo壱番屋監修カレーふりかけ(151円・店頭価格)や焼肉ふりかけ 黄金の味中辛使用(108円・店頭価格)などが熱々のご飯と食べられる。両手にふりかけを持つ女性にも伺った。
30代女性:
ちょっと気になったんでいっぱい買ってみました。梅系と、のどぐろ?これは珍しいので結構高かったんですけど。子どもはバター醤油で。子どもたちがご飯だけで食べないから、私も、もう一種の嗜好品と言いますか。

ふりかけを目当てに来店した方は、複数買う方がほとんどだった。そこで、このお店での売り上げトップ3を知るべく、まずは3位を伺った。
KITANO ACE エミテラス所沢店・深堀達郎店長:
こちらが当店人気ベスト3の「松屋牛めし味ふりかけ」となっております。
売り上げ3位は、松屋の牛めしを再現した「松屋牛めし味ふりかけ」(108円・店頭価格)。牛肉とタマネギのうま味に加え、紅しょうがの風味も口の中に広がる。仲良く選んでいたこちらの3きょうだいにも伺った。
7歳:
牛丼とかね、少しね、好きだから。試しに食べてみようかなって。ママに買ってもらったんだ。
牛めし味のふりかけに興味津々、さっそくその日の夕食に召し上がったそうだ。味の感想を聞いた。
3きょうだい:
おいしい!おいしいね!うーんおいしい!
そして2位は「まぜこみチュモッパ」(216円・店頭価格)だ。チュモッパとは韓国のおにぎりのことで、まぜこみタイプになっており、ごま油の香りと韓国のりの塩味でたくあんがアクセントになっている。

そして一番人気のふりかけも伺った。
KITANO ACE エミテラス所沢店・深堀達郎店長:
こちらが当店の売上ナンバーワンの「いか昆布」となっております。こちらは贅沢系のふりかけになるんですけども、昔からたくさんのお客様に支持されているふりかけでございます。
全国ふりかけグランプリで2年連続日本一に選ばれたこともあるソフトタイプの「いか昆布」(518円・店頭価格)だ。生食感のイカと昆布が織りなす海鮮の旨味に、根強いファンが多いという。
節約志向と高級志向…ふりかけの多様なニーズ広がる
なぜふりかけが今ここまで売れているのか、消費ジャーナリストの谷頭さんに伺った。

消費ジャーナリスト・谷頭和希さん:
節約志向で、ふりかけを選ぶ人が増えていると思います。2つ目が、様々なふりかけですね。高級志向の素材にこだわったふりかけというのも出ていまして、ふりかけの消費量っていうのが上がったんじゃないかなと思います。
物価高の影響による節約志向と、素材にこだわる高級志向などニーズの広がりによって人気が出ているという。そして、ふりかけは観光客にも人気だ。
オーストラリア人観光客:
ご飯の上にのせるものですよね。とってもおいしくなるし、子どもたちが大好きなのよ。だから、手に入れるためにオーストラリアからはるばる来たわ。

この店では、ふりかけの売上げが1年で2倍に伸びており、その背景には外国人からの厚い支持もあるという。
国際ふりかけ協議会の松江慎太郎代表理事によると、「のりたま」、「ゆかり」などの定番商品以外にも、食品を乾燥させる技術が上がり、企業とコラボした「再現系」、素材を活かしたソフトタイプの「生系」など、今、少なくとも国内では1000種類以上のふりかけがあるそうだ。
(「イット!」2月17日放送より)