台湾・台中市の日系デパート「新光三越百貨店」12階の爆発事故から一夜が明けた14日、FNNは現場近くで事故に居合わせた救急車に乗っていた消防隊員の1人を取材した。
現場では、「トリアージ」も行われたといい、「とても恐ろしかった」と振り返った。
事故を受け14日、台湾の頼清徳総統が被害者に哀悼の意を表した。
偶然現場付近に居合わせた救急車のドラレコ映像公開
爆発事故から一夜が明けた、台湾中部の台中市のデパート。

片づけられたがれきの中には、爆発した12階から飛ばされたのだろうか、マネキンのような人形もあった。

事故現場ではクレーン車を使って、今にも落ちそうな壁材や鉄骨の撤去作業が行われていた。

日本時間の13日、日系のデパート「新光三越百貨店」で起きた大規模な爆発事故では、これまでに4人が死亡し、37人が重軽傷を負った。

消防署に戻る途中、偶然現場付近に居合わせた救急車のドライブレコーダーには、「なんてことだ」、「爆発?ガス爆発か?」と爆発事故に遭遇し、驚いた様子の車内の映像が残されていた。

すぐに本部に報告し、「サイレンを鳴らせ!」と目の前の現場へ急行。
がれきは道路にまで散乱し、「状況はかなり深刻だ」と緊迫した様子だった。
治療の優先度決める「トリアージ」も行われた緊迫の現場
FNNは14日、この救急車に乗っていた隊員の1人に話を聞くことができた。

消防隊員・江政倫さん:
私たちは、すぐにクルマから降りて亡くなった方や、けがをした人がいないか確認しました。あちら側に2人が倒れていて、道路にも2人が倒れていました。かろうじて歩ける状態の人もいました。

現場では、傷病者の治療の優先度を決める「トリアージ」も行われたという。
消防隊員・江政倫さん:
倒れていた2人は明らかに亡くなっているように見え、もう1人も呼吸をしていませんでした。とても恐ろしかったです。
事故の原因は、まだ分かっていない。

台湾メディアは、検察当局が作業員16人から参考人として事情を聴いたと報じている。

消防の聴き取りでは、爆発の直前にガスの臭いがしたと話す作業員もいたということだが、台中市の調査員は、12階へのガスの供給は前日からストップしていたとしている。

そうした中、台湾の頼清徳総統が14日、被害者に哀悼の意を表した。
台湾・頼清徳総統:
台中新光三越百貨店で起きた不幸な事故で、多くの死傷者を出したことに哀悼の意を表したいと思います。
今後は事故原因の究明とともに、刑事責任の有無についても調べが進められる見込みだ。
(「イット!」2月14日放送より)