最強寒波が列島を襲う中、タイツやダウンなど防寒着を禁止する校則に疑問の声が上がっている。一方、「ブラック校則をなくそう!」プロジェクトが、文科省へ約6万人の署名を提出。文科省も校則の見直しについての通知を行うなど、見直しを求める動きが加速している。

「冬は本当にしんどい」…学校の「ブラック校則」に疑問の声

今シーズン最強の寒波で列島が冷え込む中、SNSでは学校の服装を巡る校則に、「うちの学校、タイツ禁止だからマジで恨む」「冬は本当にしんどい」「通学で下にジャージ履くの禁止だからすっごーく寒い」など、疑問の声が上がっている。

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一部の学校では、タイツやダウンジャケットの着用が校則で禁止されているため、十分な防寒ができないという。

20代:
中学生の時に靴下は白で、くるぶし上、膝よりも下でした。

中学3年生:
タイツが禁止だったり、上着を着られなかったりします。風に吹かれて寒いです。

髪形や服装などを厳しく規制する校則は理不尽・不合理として、いわゆるブラック校則と呼ばれている。最近は、そうした校則を見直す動きも広まりつつある。

青稜中学・高等学校の制服
青稜中学・高等学校の制服

取材班が向かったのは東京・品川区の青稜中学・高等学校だ。朝の厳しい冷え込みの中、登校する生徒たちが着ていたのは、暖かそうなダウンジャケットだ。手袋やマフラー、タイツを着用し、防寒対策をする生徒も見られた。

さらに、授業中のクラスを覗いてみると、パーカーで授業を受けている生徒もいた。

青稜中学校と高校では、自分の体調に合わせてダウンジャケットやパーカーを着用できるよう、制服として導入した。

中学1年生:
(パーカーは)冬もあったかくて、使いやすくてとてもいいと思います。

中学2年生:
ダウンとか、毎日登下校で着てます。

中学1年生:
(制服を選べると)学校行くの楽しいです。

中学1年生:
服自体は選ばなくても大丈夫だけど、自分の個性を出せるのがすごくいいと思います。

国からの情報発信も…改善の動き広がる

青稜中学・高等学校 青田泰明校長:
結果的には防寒対策になるが、制服はカチッとしたイメージだが、その中でたくさん自由度を増やして、一年間でいろんな楽しみ方をしてもらってる。それがうちの制服です。

合理的とはいえない校則を改善しようとする動きは、全国的な広がりを見せている。「ブラック校則をなくそう!」プロジェクトの発起人の1人である須永祐慈さんは、中学・高校生の保護者4000人を対象に校則に関する調査を行った。

「ブラック校則をなくそう!」プロジェクト・須永祐慈さん:
大規模な調査をしたところ、問題がある校則が悪化してることが分かった。寒い暑いではなく、おしゃれだから着てはダメといった形で、寒いという子どもの訴えがあるにも関わらず禁止され、理不尽だと声が上がっています。

須永さんは、調査によって明らかになった問題のある校則、理不尽な指導をまとめた資料と署名約6万人分を文部科学省に提出したという。

「ブラック校則をなくそう!」プロジェクト・須永祐慈さん:
その後、文科省の方も実際に校則の見直しについての通知を行うなど、国も情報発信するというような流れにつながり、どうやって校則を変えるのかという議論が学校現場で広がりつつあるのかなと思います。
(「イット!」2月7日放送より)

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