2023年4月、和歌山市で、岸田前首相が演説していた会場に爆発物を投げ込み、岸田前首相や周囲の人たちを殺害しようとした罪に問われている男の裁判員裁判。
2月5日午前、証人尋問が行われた。
この中で、爆発物の威力を検証するため警察が実施した実験で「厚さ9ミリのベニヤ板」を貫通したという映像が法廷で流れた。
■【動画で見る】岸田前首相襲撃の男の裁判「爆発物に殺傷能力がある」専門家証言
■演説会場で爆発物を投げ込み岸田前総理らを殺害しようとした罪など問われる
木村隆二被告(25)は2023年4月、和歌山市で開かれていた衆議院補欠選挙の演説会場で自作の火薬で作った爆発物を投げ込み、岸田前首相や周囲にいた人たちを殺害しようとした殺人未遂の罪や、選挙を妨害した罪など5つの罪に問われている。

この事件では2人が軽傷を負った。
■「殺意はありません」など一部起訴内容を否認
2月4日から始まった裁判員裁判で、木村被告は起訴内容について、火薬や爆発物を製造したことは認めたものの、「殺意はありません」などと話し、「殺意」や「選挙を妨害する意図」など一部を否認していた。

そのため、爆発物の殺傷能力が焦点となっていた。
■警察の再現実験で厚さ9ミリのベニヤ板を貫通「殺傷能力あり」と主張
裁判は5日午前から証人尋問が始まり、木村容疑者が使った爆発物の威力について再現実験をした、警察庁科学警察研究所爆発研究室の担当者が「殺傷能力があると思います」と証言した。

再現実験は木村被告の自宅から警察が押収した黒色火薬と、警察が用意した鉄パイプを使って再現した爆発物を、厚さ9ミリのベニヤ板で作った箱の中で爆発させたところ、爆発物の破片がベニヤ板を貫通したということだ。
銃弾が「4ミリのベニヤ板2枚を貫通すると殺傷能力がある」とする研究論文があるということで、実験からはその威力を超えていて殺傷能力があると判断したという。
再現実験の映像は法廷で流され、音はなかったが、オレンジ色の炎と煙ともに破片と思われるものがベニヤ板の箱から飛び出してくる様子が映っていた。

このあとも証人尋問が続く。
(関西テレビ 2025年2月5日)