名古屋市はこれまでの「ワンコインがん検診」に加え、新たに「腹部エコー検査」を2月から始めました。一度に多くの臓器をみられることから、がんの早期発見にもつながることが期待されます。
■自己負担500円で…多くの臓器を一度に検査
名古屋市のワンコインがん検診は、職場の健康診断などの機会がない人も、500円で胃カメラなどの検査を受けられます。
2月からこれと別に、腹部エコー検査も自己負担500円で受けられるようになりました。対象は50歳以上で、政令市では初めてとなる取り組みです。検査を受けられるのは市内およそ180の医療機関です。
名古屋市立大学病院は対象外ですが、どんな検査か教えてもらいました。
ゼリーをつけたお腹に超音波を出す機械を当てて、体の中を見ていきます。
名古屋市立大学病院の加藤晃久助教:
今これは腎臓が映っていますね。腎臓と肝臓の色合いがそこまで変わらないということで、脂肪肝があると肝臓がもっと白く映りますので脂肪肝なし。
検査にかかる時間は20分ほどです。加藤晃久助教によりますと、体への負担がほとんどなく、肝臓、すい臓、腎臓、胆のう・胆管など、多くの臓器を一度にみられるのが大きなメリットです。
名古屋市立大学病院の加藤晃久助教:
例えば脂肪肝などが見つかれば、生活習慣を改めるだとか、そういった意識改革にもつながるかなと思いますので、ぜひ皆さん気軽に受けていただきたい。
■すい臓や肝臓も…がんの早期発見にも期待
腹部エコー検査はがんの早期発見につながることも期待されています。がんの部位別死亡者数は、1位・肺がん、2位・大腸がんと続きます。
名古屋市では、胸のレントゲンや胃カメラなど6種類を500円で受けられるワンコインがん検診が以前からありましたが、3位のすい臓がんと、5位の肝臓がんに対応する検査がありませんでした。
腹部エコー検査は、がんを直接診断するものではありませんが、すい臓や肝臓も調べられ、病気の疑いがあれば「精密検査を受けよう」となります。
ワンコインでの腹部エコー検査は、50歳以上の名古屋市民が1年に一度受けられます。他にも多くの市町村でがん検診の補助があるので、一度確認してみてください。
(東海テレビ)