新潟県長岡市寺泊の海岸で再びボートの放置問題が発覚した。寺泊地区では県が2023年12月に放置されたボートを簡易代執行によって撤去したばかり。今回は撤去した場所から少し離れた場所で複数のボートが放置されていて、地域住民から怒りの声が上がっている。

“放置ボート問題”再び 過去には簡易代執行で撤去も…

住宅街にほど近い海岸に放置されたボート。

放置されたボート
放置されたボート
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長岡市寺泊地区では、このボートの放置がこれまでも問題となっていた。

2023年に取材した時には、寺泊港の中央ふ頭付近の緑地に、約100隻のボートが放置されていた。

約100隻の放置ボート(2023年)
約100隻の放置ボート(2023年)

2022年には一部のボートが強風で飛ばされ、20mほど離れた民家に直撃するなどの被害も出ている。

被害に遭った住民は、「ボートが屋根に落ちて、そして庭に滑り落ちてきた」と当時の状況を説明する。庭の石灯籠が倒されたほか、鬼瓦の置物も壊れるなどの被害があり、修復には約30万円かかったという。

強風で飛ばされたボートが民家直撃(2022年)
強風で飛ばされたボートが民家直撃(2022年)

2023年末、県はボートの撤去を呼びかけたものの、放置が続いた69隻を簡易代執行により撤去。その後の処分も含めると費用は約300万円に上ったという。

10年以上前からボートの放置続く…「結局周りが掃除を」

しかし、1年も経たずに、再び持ち主不明のボートが放置されていると地域の住民から県に報告があった。

放置されたボートは、1年前にボートが撤去された場所から約1km南に離れた海岸で見つかった。

1月31日に現場に行ってみると、20隻以上のボートが放置されていた。

この身勝手なボートの放置に近隣住民も不満を募らせている。

近くに住む男性は「何かあると困る。美観上よくない。どこかに持って行って処分しないと、永久にあのまま」と憤りを露わにし、近くに住む女性も「結局周りの人たちが掃除をすることになる。持って来る以上は、また持って帰ってほしい」と語気を強めた。

この場所では10年以上前からボートの放置が続いていて、2016年には強風でボートが近くの倉庫に飛んでいき、屋根に穴が開く被害が起きていたという。

屋根に穴が開く被害も…(2016年)
屋根に穴が開く被害も…(2016年)

この場所での放置が発覚した2024年10月以降、県は撤去を求める看板を設置したが、12月までに撤去されたのは1隻のみ。

1月31日時点では、ボートが飛ばないよう土嚢を置くなどの応急的な対策を取っている。

“速やかな撤去・管理徹底”を呼びかけ

また、取材をしていると、さらに1km離れた別の場所でも放置ボートが…海岸に無造作に置かれていたが、県によると、こうした放置ボートを簡易代執行で撤去する予定は今のところないという。

別の場所にも放置ボート
別の場所にも放置ボート

強風などにより被害が出るおそれもあるため、県長岡地域振興局では「ボートを速やかに撤去し、管理を徹底してほしい」と注意を呼びかけている。

(NST新潟総合テレビ)

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