飲食店などが建ち並ぶ歓楽街、東京・新宿区歌舞伎町。

近隣住民:
もうすごいですよ。いろんな種類。
生ごみから始まり、割れ物から始まり。
見たことないもん、あんなの。
ここで近隣住民が見たことがない事態になっていると話すのは…新宿駅から徒歩10分ほどの歌舞伎町のホテル街。
ごみの山に「金魚」近隣住民も困惑
1月21日、「めざまし8」は取材に向かいました。

取材スタッフ:
飲み物の瓶やペットボトル、カップ麺の空き容器など、たくさんのごみが置いてあります。

今は営業していないホテル。
その敷地から道路にはみ出す形で、椅子や、スーツケース、自転車などが雑然と積み上げられています。

ごみの山に紛れるように置かれていたのが、水を張った水槽。
ソーラーパネルのバッテリーでポンプが動いています。

取材スタッフ:
中には金魚が数匹…。金魚の管理は行き届いています。
近くにある飲食店の従業員に話を聞くことができました。

近くにある飲食店の従業員:
この道を通りたくない。そうなるとこのエリアのお店は避けられてしまうかな。

近隣住民:
車が通れないぐらい(量が)すごいときもありますし、臭いもすごいし(通行人が)あそこにごみを投げていくでしょ。ごみはごみを呼ぶんですよ。
ごみを集めている男性を直撃取材「許可を得て使ってる」
なぜ、この場所にごみが集められているのか?
取材スタッフが現場で待っていると、オレンジ色の服を着た男性がごみの方へと近付いていきます。

取材スタッフ:
すごい勢いでハトが寄ってきています。餌みたいなものをまいていますね。
声をかけてみると…。

ごみを集めている男性:
本職じゃないから。要するにアルバイト。
現在60代だというこの男性。1年半ほど前から、このホテルの前に“自分が集めた物”を置いているといいます。

ーーホテルの所有者とは関係ある?
ごみを集めている男性:
俺の知ってる人の持ち物なんだけど、俺はこっちの入り口と、そっちの入り口を借りたわけさ。(許可を得て)使ってる。

男性は、ホテルの入り口部分を所有者から借りて倉庫として使っているのだといいます。
しかし…。

ーー所有者に許可は得ている?
ごみを集めている男性:
そうそう。いや、俺がいないときに名義が変わってるとかなんとかって。
本人(男性が借りた人物)はこっちにはいねえ。アメリカにいるのであれば、しょっちゅう来られねえべ。

ーー現在の所有者とは連絡がつかない?
つける必要がない。
ーーなぜ?
問題がないからだよ。
近くの駐車場にもペットボトルが山積み
道路の反対側にある、時間貸し駐車場の一画に、ペットボトルなどが山積みになっている場所がありました。

ごみを集めている男性:
ここで分別して、ペットボトルあそこに積んでるんだ。
撤去する旨が書かれた看板がありますが…、

ごみを集めている男性:
あれ、俺のやつ。
ーー駐車場のごみは許可を取っている?
うん。俺の知り合いに政治家もいるし、都の職員とかもいっぱいいるし、そっちの方はちゃんとやってもらえるから。
そして、道路に広がるごみについても…。

ごみを集めている男性:
歌舞伎町のルールっていうのが昔からあるんだわ。それさえ守ればいいわけ。だから全然問題ない。
ーーネズミがいて周りの飲食店は怖いと言っていたが…
ごみを集めている男性:
ここのネズミじゃなくてもいるから。あちこちの駐車場とかに。
ーーこの現状を見て申し訳ないという気持ちはある?
俺は、“車が通れればいいな”っていうのしかねえから。
1月27日 区の担当者がごみを撤去
しかし、28日、再び 現場を訪ねてみると、意外な光景が広がっていました。
取材スタッフ:
ごみがきれいに片付けられていますね。

道路上にはみ出したごみの山はホテルの敷地内の一部分を除きなくなっていました。

新宿区の担当者は…。

新宿区担当者:
きのう(27日)朝9時から開始しまして、途中からご本人(男性)が見えたので、「撤去します」とお話しをして作業を始めたというところです。
(男性は)例えば、金魚の水槽だとかっていう段階になったところで、若干「撤去しないでほしい」というようなことを言われたんですけども、少なくとも我々場所を変えても含めて、6~7回は撤去して移動させてますので、その回数分はまた(男性がごみを)ためて元に戻ってを繰り返してます。
実は、ホテルの前にいた男性は、4年ほど前にも、新宿区内にある駐車場を所有者に無断で使用し、ごみを山積みにしていました。

〈2021年3月放送「とくダネ!」より〉
駐車場に物を置いている男性:
自分で缶売って飯食ってんだオラ!
ーー迷惑されている方もいらっしゃったので
何がだオラ!きってこい(?)オラ!
ガタガタガタガタ、毎日!

新宿区の担当者によると、ごみの撤去には1回につき数十万円程度の費用がかかっているとのこと。
また、ホテルの管理をしているという人物から連絡があり、今後は「男性がホテルの敷地に入らないような対策を検討している」と伝えられたといいます。

橋下綜合法律事務所・松隈貴史弁護士によると、「法律的にもホテルの所有者が被害を届けない限り罪に問うことは難しい」という今回のごみ問題。
近隣の悩みは解消されるのでしょうか?
(「めざまし8」1月29日放送より)