2024年の年末に発生した、日本航空の出発が大幅に遅れた問題。
FNNの取材で新たに分かったのは、日本航空とパイロットの説明が真っ向から食い違っているという事実だった。

機長と副機長は学校の先輩・後輩の間柄

2024年12月1日のオーストラリア・メルボルン発、成田着の便。遅れに遅れた出発は、予定時刻から3時間11分後だった。

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原因は、機長(59)と副機長(56)が、出発の前の日に飲んだアルコールだ。

機長と副機長は、学校の先輩と後輩の間柄
機長と副機長は、学校の先輩と後輩の間柄

機長と副機長は、学校の先輩・後輩の間柄で、以前から面識があったという。

一緒に食事に出かけた2人は、翌日コクピットで操縦するにもかかわらず、スパークリングワインと赤ワイン3本を頼んだ。

その結果、フライト当日、アルコールが検知されるなどしたため、午前7時20分の出発時間が3時間以上遅れたうえで離陸。
この時、問題の機長と副機長が交代することはなかった。

副機長が検査結果「誤検知」主張とJAL発表も副機長「一切ない」

当初、日本航空の発表によると、交代させず出発を決めたのは、副機長が検査結果を「誤検知だ」と主張していたことなどが理由だった。

副機長は国交省の聴取に「誤検知だと発言したことは終始一切ない」と話した
副機長は国交省の聴取に「誤検知だと発言したことは終始一切ない」と話した

しかし、副機長が国交省の聴取に対し、「誤検知と発言したことは終始一切ない」と話していることが分かった。

新たに分かった食い違う説明。
これについて、日本航空は「事実確認ができていなかった可能性がある。副機長が自分から誤検知と言ったというのは、誤認していた可能性がある」とコメントしている。

副機長はアルコールを消そうと水を大量に飲んで搭乗後嘔吐
副機長はアルコールを消そうと水を大量に飲んで搭乗後嘔吐

副機長はアルコールを消そうと水を大量に飲み、機内に搭乗後、嘔吐(おうと)したという。

客室乗務員らが異常を本社に報告も…
客室乗務員らが異常を本社に報告も…

これを見た客室乗務員らが、本社に対し「副機長は本当に大丈夫なのか?」、「このような運航乗務員とは乗務できない」と連絡した。

しかし本社は、現場から上がった複数の声を無視する形で出発を決定していた。

日本航空は、機長と副機長を解雇処分とした。

国交省は、日本航空に対し業務改善勧告を行い、24日までに再発防止策を報告するよう求めている。
(「イット!」 1月17日放送より)

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