福井県と中京圏を結ぶ新たなルートとして、2023年11月に開通した「冠山峠道路」。沿線の観光施設では来場者が最大1.5倍に増えたことが分かった。新たな物流ルートとしての効果も期待されている。

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観光地の来場者が最大1.5倍に

冠山峠道路は福井県池田町と岐阜県揖斐川町を結ぶ7.8kmの道路で、2023年11月に開通した。福井県と岐阜県の県境にある冠山の峠道は険しく、これまで冬期は通行止めとなっていたが、全長4.8キロの冠山トンネルが整備されたことでオールシーズン通行が可能になり、所要時間も1時間短縮された。

福井河川国道事務所などの調べでは、冠山峠道路の開通後、福井県と池田町を往来する車が増え、道路沿いにある主な観光施設では、来場者数が最大で1.5倍に増えた。

利用者の4割が中京圏になった施設も

池田町の中心部にある「まちの駅こってコテいけだ」は、開通前だった前年に比べ来場者・売り上げともに約1.5倍、「ツリーピクニックアドベンチャーいけだ」は来場者が1.3倍、売り上げが1.2倍となった。開通後にオープンした「道のオアシス フォーシーズンズテラス」には7カ月で約14.8万人が来場し、その4割が中京圏からだった。

道路周辺で建設中の足羽川ダムでは、夜間工事見学ツアーも催行されるようになり、定員の6倍の申し込みがある盛況ぶり。

物流面の強化にも期待

また、福井河川国道事務所は、物流の強化にも期待を寄せている。 冠山峠道路の開通により、名神や北陸道などの高速道路を利用するルートと比べ、所要時間に変化はないものの、走行距離が3割短縮された。物流業者からは「通行止め時の選択肢が広がった」との声も上がっている。

福井と岐阜をつなぐ新ルートが形成されアクセスが向上したことで、 観光、物流の両面で継続的に効果が表れるか、注目されている。

福井テレビ
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