観光庁が15日に発表した外国人訪日客数が約3690万人と過去最多を更新した。
一方、語学学校を展開するスイスの企業の調査では、日本の「英語能力指数」は116の国と地域の中で92位だった。
英語習得にはとにかく英語を積極的に話すことが良いとされ、日本の英語教育見直しの必要性が長年指摘されている。

日本人の英語力は116の国と地域の中で92位

青井実キャスター:
15日、観光庁が2024年に日本を訪れた外国人旅行者の数を発表しました。もちろん過去最多。しかし、海外から来た観光客の皆さんに聞くと、あることに困ったというんです。いったい何でしょうか。

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外国人旅行者:
店員は英語がまったく分かりませんでした。手を「×」にしてるから自分と関わりたくないのかと思いました。

外国人旅行者:
台湾やタイに比べると(英語力が)低いと感じました。

15日のテーマは「インバウンド“爆発”も英語が苦手な日本人。ソレってどうなの?」だ。

語学学校を世界に展開するスイスの企業の調査では、日本の「英語能力指数」は116の国と地域の中で92位。
15日に発表された、海外から訪れる外国人の数は約3690万人。
今も世界から熱視線を受ける国として、この英語力、なんとかする必要があるのかもしれない。

青井キャスター:
そこで、普段から外国人観光客と英語でやりとりをしている人たちに聞いてみました。まず訪れたのは、浅草で多くの外国人を相手にしている名物の人力車の引き手・車夫の皆さんです。人力車を引いて3年目の鈴木さんは、会社に入社したあとに英語を身につけたといいます。

東京力車・鈴木あき奈さん:
(英語で)浅草を散策して、何でも知ることができます。

青井キャスター:
鈴木さんが、東京案内をしているところを撮影させてもらいました。

東京力車・鈴木あき奈さん:
(英語で)これは「東京スカイツリー」と言って、日本で一番高いんです。

青井キャスター:
積極的に話すことが良いそうですが、ほかの方法で英語力を培ったという人もいました。

東京・目黒にある居酒屋「釣船茶屋ざうお目黒店」は、目の前にいけすがあり、魚釣りを楽しみながらお酒が飲めるということで、外国人観光客に人気です。

外国人客:
どうやって食べる?

店員・中田さん:
(英語で)おすすめは唐揚げとフライです。半分ずつにしますか。

客:
お願いします。

青井キャスター:
おすすめの調理方法を外国人客に伝えているのは、店員の中田さん。流ちょうな英語ですが、どうやって勉強されたんでしょうか?

釣船茶屋ざうお目黒店・中田さん:
勉強した感覚があまりない。昔ヒップホップ音楽が好きで、映画やゲームも洋画、洋ゲー(海外のゲーム)が好きでよくやっていた。やっているうちにだんだん話す機会が多くなって、話しているうちに身についた。

青井キャスター:
それでは英語が話せるようになるには、どうしたらいいでしょうか。中田さん教えてください。

釣船茶屋ざうお目黒店・中田さん:
話すことが一番いい。トライアンドエラーの繰り返し。昔は僕も全然通じなかった。話しているうちに正しいのが身に付く。

「読みと文法に力を入れすぎ」と英会話講師

青井キャスター:
パックンは、どうやって日本語を覚えましたか。

スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
日本に来てからゼロから覚えたんですけど、日本の方は、先にいっぱい勉強してたくさんの英単語を把握してるわけですよね。とにかく完璧主義を捨てて、英語でしゃべらないと!

青井キャスター:
世界で92位という日本の英語力。小学生からずーっと英語の授業があるのに、なぜ英語が苦手なままなんでしょう。英会話教室「ペリーイングリッシュ東麻布教室」の先生に聞いてみました。

ーーその原因、どう感じてますか?

ペリーイングリッシュ東麻布教室 ペリー・メニーさん:
日本の学校の英語教育は、読みと文法に力を入れすぎている。一方で、聞く力と話す能力には力を入れていない。これが一番の問題。生徒は英語を日本語を使って学んでいる。だから生徒は実践的に英語を使う機会を与えられていない。

青井キャスター:
最後に教室に通う子どもたちにも聞いてみました。

ーー英語を話せるようになるコツってありますか。

英会話教室に通う8歳(小2):
毎日無理せずにできるところまで毎日勉強続けてたら、ちょっとはしゃべれるようになると思う。

おもてなしの心を伝えるためにも、まずは簡単な道案内を目標にチャレンジするのもいいかもしれない。
(「イット!」1月15日放送より)

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