災害用トイレの備蓄率が約2割にとどまる実態があるという。
専門家は、トイレを我慢すると脱水やエコノミークラス症候群、食中毒など災害関連死のリスクが高まると指摘する。
少なくとも、1週間分の災害用トイレ備蓄を呼びかけている。
災害関連死につながるおそれ…食中毒や胃腸炎に感染するリスクも
日頃から備えが大切と分かっていても、災害用トイレの備蓄率は、いまだに低い状況だ。
14日のテーマは、「トイレの備え2割、しってる?」だ。

地震や豪雨など毎年のように災害が起きる中、災害用のトイレを備えている人は2割ほどだという。
トイレを我慢すると、災害関連死につながるおそれもある。
40代:
缶詰とか日持ちするようなものは、一応家に置いとくようにはしています。
記者:
ーー災害用トイレは、備えていますか?
40代:
備えてないです。
50代:
(災害用)トイレは備えてないです。

災害用トイレを備えていると答えた人は、半数ほどだった。
77.8%が備蓄していないというデータもある(2023年日本トイレ協会)。
一方で、トイレの備えこそが一番大切という指摘もある。
発災から今週で30年となる阪神淡路大震災。
当時の被災状況を調査した日本トイレ協会の山本会長はこう語る。

日本トイレ協会・山本耕平会長:
“トイレパニック”というような、そんな呼び方もされていましたね。僕ら避難所のトイレの調査に回ったが、トイレを我慢するために飲まない・食べないとかありました。災害関連死にもトイレはつながるってことで、トイレは命に関わる非常に重要な問題だって、あらためて感じた次第です。
兵庫県内の9割以上が断水し、長期的にトイレが使用できない状態になった。
避難所などのトイレは不衛生となり、当時「トイレパニック」と言われた。

山本会長によると、トイレを我慢することで水分が不足して、脱水症状やエコノミークラス症候群を引き起こすほか、不衛生なトイレにより、食中毒や胃腸炎に感染するリスクがあるという。
1年前に起きた能登半島地震の際にも、同様の問題があった。
能登半島地震の避難者(2024年1月):
やっぱりトイレ問題と、お風呂とかシャワー。
能登半島地震の避難者(2024年1月):
水が出ないとトイレがね。
能登半島地震の避難者(2024年1月):
食料も水も十分あります。問題はトイレなんですが、お年寄りが多いので自分で歩けないから。市役所の裏にある簡易トイレに行くしかないんです。
災害用トイレは大切だが、どのような備えをすればいいのだろうか。

都内のホームセンターには専門コーナーが設けられ、約30商品が店頭に並んでいた。
商品は、主に2つのタイプだ。
カインズ昭島店・福田一樹さん:
抗菌消臭非常用トイレ30回分(2980円)になります。トイレに直接かぶせて、すぐ使えるタイプになっています。
1つ目は、自宅などのトイレに袋をかぶせて、トイレを済ませたあと凝固剤を入れるタイプだ。
カインズ昭島店・福田一樹さん:
こちらは、携帯ミニトイレになります。こちらに関しては携帯となるので、トイレにかぶせなくても単独で使える商品になります。1つ携帯しておくと安心だと思います。
2つ目は、外出時にも持ち歩ける携帯型のコンパクトタイプだ。
商品を手にしていた男性に話を聞いた。
男性来店客:
能登(地震)がもう1年たつけど、うち何も用意してないなと思って。気になって見ていました。携帯のトイレとかあった方がいいんだろうなと思って。
日本トイレ協会・山本耕平会長:
水よりも、食べるものよりも、トイレの方が重要ではないかなと思います。すぐに買えるものですから、ぜひ家庭で備蓄はしていただきたいです。
家庭での備えが重要に
スペシャルキャスター・山口真由さん:
盲点でした。水や缶詰と思ってトイレは考えてなかったが、言われたらその通りですよね。
宮司愛海キャスター:
ーー生理現象ですから、止められるものでもないですしね。家族の人数によっても変わると思うんですが、何日ぐらい準備しておくといいんですか?

小山内鈴奈キャスター:
日本トイレ協会の山本会長に伺いました。避難所などに仮設トイレが設置されるまでの目安が約1週間ということなので、1週間分は備えておいた方が良いです。そして、1日1人あたり5回分使うと想定して、4人家族ですと1週間分の140回分を備えておくと良いということでした。

宮司キャスター:
スタジオに非常用トイレ30回分があります。ちょっと薄いです。大人2人で1日5回するという想定で3日分ということです。かさばらないので、例えば5袋あれば4人家族で使えますね。
木村拓也キャスター:
持っているだけで使ったことないっていう方、結構多いんじゃないかなと思うので、ぜひとも1回使ってみるのがいいと思います。僕も取材のときに災害用トイレを持っていたら、小だけで大をするものがなかったこともありました。あと家族によって、どれぐらい必要かなどもあると思うので、あらためて確認してほしいですね。
家庭での備えが重要になってくる。
(「イット!」1月14日放送より)