京都市の松井孝治市長が14日、京都市の宿泊税の引き上げ方針を発表した。
最大で1泊1万円の宿泊税がかかることになり、実現すれば税収額は120億円を超える見通し。
市は、使い道として文化遺産保護や景観維持への活用と説明している。
また、東京ディズニーリゾートのある千葉県でも導入が検討されている。
京都市・松井市長が宿泊税値上げを発表
世界から続々と観光客が訪れている京都で、気になる動きが出ている。

京都市は、年間5000万人以上が訪れ、1400万人以上が宿泊している。
そのホテルや旅館などで宿泊客が支払う宿泊税が、現在の価格から大幅に引き上げられることが新たにわかった。
14日のテーマは「1泊1万円プラス?京都の宿泊税大アップ。ソレってどうなの?」だ。

東京や大阪、福岡など一部の自治体で導入されている宿泊税。
観光業のサービス向上やインバウンド対策強化などに使用されている。
京都市では7年前から導入されていて、現在1人1泊2万円未満のホテルや旅館は200円、5万円以上だと1000円など3段階に分かれている。
得られた税収額は莫大(ばくだい)で、2023年度には過去最高の52億円にものぼっている。

そして14日午後2時ごろ、宿泊税を引き上げると、京都市の松井孝治市長が発表した。
引き上げ幅が驚きの金額だ。
今後、新たに導入される宿泊税は細かく5段階に分かれ、10万円以上のホテルや旅館に泊まると、1泊1万円の宿泊税がかかることになる。
実現すれば、税収額は全国で最高の120億円を超える見通しだ。
宿泊税の値上げをどう感じているか、観光客に話を聞いた。
外国人観光客:
1万6000円(のホテル)で4泊して1泊400円(の税なら)安いと思う。
観光客:
この税金が何に使われるのか、ちゃんと明確にしてほしいです。

10万円を超える部屋もあるホテル側はどうだろうか。
ホテル日航プリンセス京都・田口明宿泊部部長:
率直に言って、金額のインパクトの大きさに驚きました。思ったより上がったなと。トータルの宿泊コストは上がるので、どうお客様が感じて、どう選択するか注視していかないといけないと考えています。

松井市長は会見で、増収した分の使い道についてこう説明している。
京都市・松井考治市長:
京都は多くの文化的な資産があります。文化遺産・国宝・重要文化財のみならず、近代的な文化、町家などのたたずまい。そういったものの修理・助成・街並みのさらなる美化。そういった方面にも貴重な財源を活用させていただきたく。
千葉県でも新たに導入を検討
スペシャルキャスター・山口真由さん:
京都は、文化遺産の修繕にもオーバーツーリズム対策にもお金がかかるんだろうなとは思います。でも1万円ってちょっとびっくりしました。

宮司愛海キャスター:
京都市の皆さんの暮らしがより良くなる方向に使われるといいなと思いますよね。一方で、宿泊税をめぐっては、千葉県でも新たに導入が検討されています。千葉県の宿泊税は、1人1泊150円。市町村が課税する場合は上乗せをすることになっています。
千葉県で宿泊といえば、思い浮かぶのが多くの観光客が訪れる東京ディズニーリゾート。
玄関口のJR舞浜駅の前で聞いてみました。
ーー宿泊税、どう受け止めますか?
千葉県民:
舞浜なら何万人がその日に泊まったりすると思う。150円となったら、かなりの財源になる。
千葉県民:
ペットボトルの飲み物1本分なら別に気にならない。それ以上に自分の買い物が大きいので。(街が)良くなるならいいかな。
という意見がある中、こんな声も聞かれた。
北海道民:
困りますね。ディズニー好きなので…いっぱいこれからも来るので、高くなるのは困ります。
千葉県民:
私たちも宿泊するので。千葉県民だけど舞浜にみんなで泊まる。困るよね、結構困ります。

千葉県は宿泊税について、観光の持続的な発展や新しい観光振興に取り組むための財源としていて、年間約42億円の税収を見込んでいる。
海外の観光客が増え続ける中、変化を続ける宿泊税。
納得して支払うためにも、使い道を含めたしっかりとした説明をお願いしたいところだ。
(「イット!」1月14日放送より)