ウクライナのゼレンスキー大統領がSNSで、ロシア西部クルスク州でウクライナ軍が北朝鮮兵2人を捕虜にしたと明かし、2人とみられる写真を公開した。

ゼレンスキー大統領が公開した2人の北朝鮮兵

軍服を羽織った状態でベッドに座る男は、ウクライナで捕虜になった北朝鮮の兵士だった。

捕虜になった北朝鮮の兵士
捕虜になった北朝鮮の兵士
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ウクライナ軍:
北朝鮮に戻りたいか?

捕虜になった北朝鮮兵:
はい。

撮影された映像は、11日にウクライナのゼレンスキー大統領がSNSで公開したもので、2人の北朝鮮兵はロシア西部クルスク州でウクライナ軍の捕虜となった。

もう1人の捕虜はベッドに横たわったまま毛布のようなものを掛けられ、その右手には包帯が巻かれていた。

捕虜になった北朝鮮兵:
1月3日に来て、隣の仲間が死んでいくのを見て防空壕に隠れて…。

ウクライナ兵:
ここの指揮官はなんと言ったか。誰と戦うと言ったか。

捕虜になった北朝鮮兵:
訓練を実戦のように行うと言って…。

捕虜の北朝鮮兵は、戦場に行くことを知らされていなかったという。

ウクライナ軍:
北朝鮮に戻りたいか。

捕虜になった北朝鮮兵:
ウクライナ住まいがいい。ここに住みたいです。

こうした中、ゼレンスキー大統領は捕虜にした北朝鮮兵士について、金正恩総書記がロシアにいるウクライナ兵の捕虜と交換できるならば、北朝鮮に戻す用意があると明らかにした。

「捕虜になる前に自死を」手榴弾で自爆も

韓国の情報機関「国家情報院」によると、北朝鮮兵がロシア西部のクルスク全域で戦闘に参加していて、これまでに300人あまりが死亡、2700人あまりが負傷した可能性がある。

また、戦死した北朝鮮兵が所持していたメモには捕虜になる前に自死するようにと、北朝鮮当局が強要する指示が書かれていて、実際に北朝鮮兵がウクライナ軍に捕まる前に金正恩総書記の名前を叫びながら、手榴弾で自爆を試みたことも確認されたという。

安全保障ジャーナリスト・吉永ケンジさん:
一つは反体制的な宣伝に利用されない。もう一つは情報の漏えいを防ぐということです。そして、もう一つは軍隊としての文化として、自分たちは精強たる軍人なんだと。敵に捕えられるなんて恥だと。

一方、アメリカのトランプ次期政権の高官は、トランプ氏が今後数週間以内にロシアのプーチン大統領と電話会談する見通しだと述べており、領土をめぐってウクライナ側に妥協を求める可能性を示唆しているという。
(「イット!」1月13日放送より)