この冬、冬眠しないクマの出没が相次いでいる。その目撃が後を絶たない。秋田県内では、2024年12月22日から2025年1月5日の目撃件数は68件と急増し、捕獲後も別の個体が現れるなど警戒が続いている。
“冬眠しないクマ”の出没相次ぐ
FNNが入手したのは、2024年12月20日、秋田・潟上市でクマの姿を捉えた映像。

犬が吠える先には1頭のクマがいて、柿の木の下で何かを食べている様子が映っていた。犬が吠え続けているとクマが立ち上がり、カメラの方をじっと見つめ、しばらくすると走り去って行った。
本来なら冬眠しているとされる時期に相次ぐクマの出没。この年末年始も、冬眠しないクマの目撃情報が相次いだ。

2024年12月28日に秋田・美郷町で撮影された映像には、雪が降り積もった田んぼの上を歩くクマが映っていた。

撮影した人:
1m以上…かなり大きかった。最初、大きい犬かと思いました。シカやタヌキならよく見るが、クマは初めてでした。
田んぼと近くの住宅との距離は約50mだ。

撮影した人:
あまりにも近くで見たので、怖くてびっくりした。痩せていなくて丈夫だった。まんまるとしていて、今の時期に見るクマなのかなというくらい。餌とか食べているのだと思います。猟友会の人たちにも動画を見てもらったが、かなり大きいと言っていました。

同じ日、近くでは別の目撃情報も寄せられた。車で通りかかった人が、雪をかき分けながら歩くクマを捉えた。クマは周辺に約30分とどまった後、林に立ち去ったという。
クマの出没は、これだけでは終わらなかった。

秋田・横手市でも2024年12月29日に目撃された。
秋田県が運用しているツキノワグマ等情報マップシステム「クマダス」によると、2024年12月22日から2025年1月5日までのクマの目撃件数は68件で、前年同期の5件と比べると急増している。
特徴的なのは、クマが捕獲された後に同じ地域で何度もクマが目撃されることだ。
2024年12月26日には、秋田市仁井田の自動車整備工場の倉庫にクマが入り込み、約1日かけて体長1.2mのメスの成獣が捕獲された。クマが侵入した倉庫の近くは車通りが多く、飲食店や住宅、学校が立ち並ぶエリアだ。
周辺を散歩していた人:
まさかと思った。雄物川の川下の方に出没するのは理解できるが、いくらなんでもこの辺では…。
この倉庫からわずか2km離れた場所では、2024年12月31日にもクマが目撃された。

周辺を取材してみると、動物の足跡が見つかった。
“市街地で冬眠”の可能性…2~3月は街中への出没に警戒
クマの生態を研究する秋田県立大学の星崎和彦教授に確認してもらった。
秋田県立大学・星崎和彦教授:
映像を見た限り、しっかりした爪があるのでクマだと思います。
冬眠しているはずの時期に、なぜクマが私たちの生活圏に現れるのだろうか。

秋田県立大学・星崎和彦教授:
寝る場所を探して、出没しているということが起こりうると思います。
星崎教授は、クマが市街地で冬眠している可能性があると指摘する。
秋田県立大学・星崎和彦教授:
2~3月になると、冬眠から目覚めたクマが出没します。街中への出没もあると、心づもりが必要かなと思います。

秋田市では、13日も朝からクマの目撃情報が相次いだ。秋田市飯島にある会社の防犯カメラの映像では、敷地内を悠然と歩くクマ1頭が確認できた。
クマは13日午前6時50分頃にゴルフ練習場の周辺で目撃されて以降、北東に移動しながら商業施設や住宅の敷地などを通過したとみられている。

正午頃には、北に移動するクマを見つけたと情報が寄せられた。その後目撃情報はなく、山に帰った可能性が高いとみられている。
(「イット!」1月13日放送より)