今シーズン最強寒波の襲来で列島は記録的な大雪となり、車のスリップなど雪による事故も相次いでいる。
さらに3連休に雪の可能性がある首都圏でも雪への警戒が始まっている。
名産品にも深刻な影響
9日午前10時ごろには、福岡市の中心部でも雪が降るなど、今シーズン“最強の寒波”に見舞われている日本列島。
福島市では雪による事故も起きた。

午後2時40分頃、タンクローリーが国道で横転。現場には雪が積もっていて、タイヤがスリップしたと見られている。

青森・弘前市では、地元の名産品に深刻な影響が出ていた。
降り積もった雪の重みで、地元名産のりんごの木が折れるなどの被害が相次いでいた。
りんご農家の石岡さんは農園を回り、1本ずつりんごの木の雪下ろしをするという。

りんご農家・石岡次郎さん(78):
(Q.これ、何人でやる?)
1人よ、1人。
(Q.木の本数は?)
1000本と…もっとあるな。

枝に積もったまま硬く凍った雪を下ろすのはかなりの重労働。一筋縄ではいかない。
しかし、枝が1本折れるだけで、6万円ほどの損害になるというりんごの木。
78歳の石岡さんは、この作業を1000本以上ある全ての木で行うという。
“不要不急”ではない雪かきや雪下ろし
寒さと雪のピークは10日とみられ、日本海側を中心に“災害級の大雪”になる恐れが高まっている。
気象庁と国土交通省が行ったきのうの緊急会見では・・・。

国土交通省水管理 国土保全局防災課 西澤 賢太郎 課長:
“不要不急の外出は控える”、予定を変更することもお考えください。

青森市では、51歳の女性が自宅の敷地で雪に埋もれた状態で見つかり、死亡する事故が発生。除雪作業中に屋根からの落雪に巻き込まれたとみられている。
大雪に見舞われている地域の人々にとって、雪かきや雪下ろしは決して“不要不急”ではない。

雪かきをする人:
雪は片付けないと(家が)潰れちゃうし、屋根の雪も下ろしたりしないと。家が潰れる方が怖いですね。
旅行者の足元は多くがスニーカー
9日正午時点の積雪が167cmに達した岐阜・白川村。取材班は、世界遺産の白川郷へ。

合掌造りの集落へと向かう吊り橋は、色とりどりの傘をさした外国人観光客でギッシリだった。
ポーズを決めて写真を撮り、はしゃぐ様子も見られたが、いざ橋を渡るとなると…。

恐る恐る慎重に前へ。吊り橋の上の路面は凍りやすい上、雪が踏み固められ、ツルツルと滑る危険な状態だった。
香港からの観光客:
とても綺麗な景色、本当に感動的。でも雪のせいで滑りやすくなっている。
シンガポールからの観光客:
(Q.不要不急の外出自粛は?)
知っているよ!今のところは大丈夫。でも大雪になりそうだね。

不要不急の外出を控える呼びかけは知ってはいても、一面の銀世界の絶景を堪能するチャンスは逃したくないようだ。
とはいえ、コロコロと天気が変わる不安定な空模様。時折、地吹雪が発生し、視界が効かなくなる時間帯もあった。
雪道を歩く旅行者の足元をみると、多くの人がスニーカーだった。

香港からの観光客:
こんなに靴がびしょびしょ!手すりにつかまりながら注意して歩くよ!

10日にかけ、日本海側を中心に大雪や吹雪が続く見通しで、10日夕方までに北陸地方で70センチ、九州北部であすまでに25センチ、四国でも30センチの雪が降る見通しだ。
そして9日の最低気温が3.0℃と冷え込んだ東京都心でも“雪への警戒感”が高まっていた。

ガソリンスタンドの店長:
(Q.こちら今何をされているのですか?)
今ですね、冬用のスタッドレスタイヤに履き替えています。
ガソリンスタンドでは、冬用スタッドレスタイヤへの交換依頼が増えていた。
客:
東京も少し雪が降るんじゃないかという話だったから。
3連休の雨と雪の予想では、関東にも雨雲がかかって、雨から雪に変わる可能性があり、最新の予報に十分な注意が必要だ。
(「イット!」 1月9日放送より)