熊本市電の延伸について、12月26日に開かれた熊本市の都市計画審議会で、軌道整備や道路の拡幅が認められ、延伸の計画はまた一歩前進した。
『仮称・東町線』の都市計画審議会
熊本市電の延伸が計画されているのは、熊本市東区の健軍町電停から熊本市民病院まで約1.6キロのルート『仮称・東町線』で、概算事業費は約141億円、開業予定は7年後の2031年度。

この市電延伸の計画は2024年9月に熊本市議会が実施設計予算案を議決したことで、本格的に進むことになり、熊本市は10月に開いた市民説明会で用地買収が必要となる見通しの区域を示していた。
軌道整備と道路拡幅について委員が審議
12月26日の熊本市の都市計画審議会で、議題は熊本市電延伸に伴う軌道の整備、道路の拡幅について。

委員からは「通常の買い物などで、市民がここから乗って街に行く利便性が感じられない」や「観光客にも使いやすいように検討したらいいのでは」、「危機管理上重要な幹線道路なので(自動車の)通行空間を確保するのは重要」など、東町線をめぐってさまざまな意見が出されたあと、採決が行われ審議会は賛成多数で市電延伸に伴う道路の拡幅などを承認した。

熊本市・市電延伸室の太江田真宏室長は「可決されたことは大変よかった。将来の人口推計も見越して、今後50年の評価を織り込んだ上で(市電延伸事業の)効果はあると考えている」と述べた。

熊本市電の延伸は26日の承認を受け、2024年度内に都市計画決定される見通しだ。熊本市は2025年度、現地で測量を実施、また2026年度には建物の調査や用地補償などの相談・交渉を行うとともに現地での着工を目指している。
(テレビ熊本)