12月25日、斎藤知事が臨んだ百条委員会、最後の証人尋問。

公益通報やパワハラ疑惑などについて、いまだ真偽が明らかになっていない中で、本人の口から何が語られたのだろうか?

■【動画で見る】兵庫県・斎藤元彦知事 百条委で最後の証人尋問 選挙中「パワハラはなかった」と演説

■斎藤知事「真実相当性は満たさない」

兵庫県 斎藤元彦知事
兵庫県 斎藤元彦知事
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百条委員会による最後の証人尋問に臨んだ、兵庫県の斎藤元彦知事。

兵庫県 斎藤元彦知事:こういった証拠がありますということを、具体的に出してこなかったので、やはり…外部通報の保護要件である真実相当性というものは満たさないというのが今の見解。

■元局長、公益通報窓口にも通報するも、調査結果前に停職処分に

すべての始まりはことし3月。

元西播磨県民局長が、一部の報道機関や県議会議員などに、「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」と題した告発文を配布。

斎藤知事の指示で、すぐさま県の幹部などが調査を開始した。

翌4月、元局長は、県の公益通報窓口にも通報したが、県は、この窓口による調査結果が出る前に停職3カ月の処分を下した。

■「公益通報にあたる内容もある」と弁護士が証言

結城大輔 弁護士
結城大輔 弁護士

斎藤知事は、誹謗中傷性の高い文書のため「公益通報にあたらない」と主張。

しかし、25日午前の百条委員会で参考人として出席した、公益通報に詳しい弁護士は…、

結城大輔弁護士:文書の内容が『パワハラ』とかが入っていて、これ刑法には書かれていないとなると、公益通報という内容にそもそも当たらない部分があるのは確かで、一方、収賄したんじゃないかという話になると、刑法に入ってくる。内容によって公益通報に当たるような内容、当たらない内容もある。

結城弁護士は、「公益通報に当たる内容もある」と証言。

また、問題視されている告発者探しや、告発者の不利益な取り扱いについては…

結城大輔弁護士:公益通報の事案についていうと、受付段階、調査段階、是正措置、一連の対応のプロセス全てを通じて、通報を理由に何らか不利益な取り扱いをしたり、通報者が誰かという情報を必要最小限の範囲を超えて共有したり、通報者を探したり、こういうことをしてはいけないとなっていて、調査結果が判明する前にこういった扱いをすることは許されない。

■「元局長の文書は不正目的なので公益通報ではない」と片山前副知事

片山安孝 前兵庫県副知事
片山安孝 前兵庫県副知事

しかしこれに対して、証人として出席した斎藤知事の当時の最側近、片山前副知事は…。

片山安孝 前兵庫県副知事:公益通報の入口は、不正な目的であれば公益通報としては対象としないという認識になっていますので。公益通報ではないと。

元局長の文書は、受付の段階から不正な目的と判断したため、そもそも公益通報ではないと主張した。

■片山氏は「元局長によるクーデターだ」と主張

その理由として挙げたのは、斎藤知事から「徹底的に調べてくれ」と指示を受けた、片山前副知事が回収した、元局長の公用パソコンの中身。

元局長による「クーデター」を示すものが保存されていたと主張した。

片山安孝 前兵庫県副知事:自分たちに都合のいい人事案を作っている資料もあると分かります。斎藤知事のまわりに、主要ポストに反斎藤的な職員を配置して、知事の改革を進めさせないというのは、ある意味“クーデター”と。

公明党 伊藤勝正兵庫県議:ある意味クーデターという表現をされたが、いつどこで誰がどのように実行するのかとか。

片山安孝 前兵庫県副知事:計画書はないけれども、いろんな言葉で『クーデター』やとか、『転覆』とか『片山を早く辞めさせ』とか、いろんな言葉がずーっと並んでいまして。誹謗中傷して失脚させようということは、実行計画に移しているんですよということが。総称してクーデターと。

■最初に私のところに来ていたらクシャっとしていた…

片山安孝 全兵庫県副知事
片山安孝 全兵庫県副知事

そして、公益通報ではないとの認識の上で、文書に対しての意識がにじみ出るこんな発言も…。

片山安孝 前兵庫県副知事:(文書が)最初に私のところに来ていたらクシャッとしていたのに、最初に知事のところに来ていたでしょ。

■「全体としては問題ない」と斎藤知事

斎藤元彦 兵庫県知事
斎藤元彦 兵庫県知事

そして午後3時、再選された後初めて百条委員会に出席した斎藤知事。

公益通報の調査結果を待たずに処分をした県の対応について、改めて事実関係を問われた。

自民党 長岡壯壽県議:外部通報にあたらないという法的見解がない中で、元県民局長の職をとき、退職を保留されています。それはあなたの指示ですか?

斎藤元彦知事:誹謗中傷性の高い文書というのが、私と県の認識。それに基づいて退職を保留したり、人事当局としても判断された。私としても最終的に了承した。法律の中で今回の3月20日の文書に対する対応については適切だったというふうに、県当局・県の弁護士とも相談しながらやっているので、全体としては問題なかった。

公明党 伊藤勝正県議:(文書が)信じるに足りる相当な理由が存在しない。これは今も変わりない?

斎藤元彦知事:真実相当性ないので、外部通報の保護要件に当たらないというのが、私の今の認識です。

■「斎藤知事の一連の対応は不適切」と委員

公明党・越田浩矢 県議
公明党・越田浩矢 県議

一方、委員の一人は「文書自体を見て真実相当性がないと判断したのではなく、その後の告発者への調査によって判断した。斎藤知事の一連の対応は不適切」だと指摘した。

公明党 越田浩矢県議:文書見た時点で判断すべきであって、後から告発者を探索した上で見つけた情報で、今おっしゃってる話。不適切な理由だと思っています。

■斎藤知事は「証言の食い違い」を改めて否定

斎藤元彦 兵庫県知事
斎藤元彦 兵庫県知事

また、元県幹部らとの”証言の食い違い”については…

自民党 長岡壯壽県議:当時の幹部、総務部長が『第三者による調査を斎藤知事に進言した』と証言している。これについて斎藤知事はどのように発言された?

斎藤元彦知事:進言されたという認識はない。むしろ、懲戒処分に該当する可能性のあることだから、今回は人事課が内部調査して『人事当局が調査することが適切だ』という、むしろ進言を受けたのが私の記憶です。

自民党 長岡壯壽県議:5月7日に処分の発表が決まった。当時の総務部長が知事はこうおっしゃったと証言しています。『風向きを変えたいよね』と。知事はどのように発言されたのでしょうか?

斎藤元彦知事:わたしの記憶では『風向き変えたい』という発言をしたというのは全くない。公益通報の結果を待たずにやれって言ったことも記憶にないです

 証言の”食い違い”について改めて否定した。

そして、斎藤知事が選挙中に「パワハラはなかった」と演説したことについて問われると…

斎藤元彦知事:暴行罪であったりとか、そういった意味での行動はしてないという意味でそういった発言をした。最終的にパワーハラスメントかどうかっていうのが認定されるのは、司法の場などだというふうに思っています。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年12月25日放送)

関西テレビ
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