年明けに待つ成人の日に合わせて、各地で開催される「二十歳の集い」。
その晴れ舞台で身に着ける大切な衣装を扱う業者と、連絡が取れない事態が沖縄県で発生していることが分かった。

業務委託先の担当者が着服か

トラブルのもととなっているのは、沖縄・名護市で振り袖やはかまの、販売やレンタルを請け負う業者だ。

この業者に業務委託している那覇市の衣装会社が24日、報道陣に状況を説明した。

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SMILEY・比嘉基生代表取締役:
9月の頭くらいに、実は120人くらいの契約者がいたと後で分かった。今現在把握している金額は730万円超えですが、名護店の担当者が全部着服したという経緯になります。

会見した那覇市の衣装会社は、問題となっている名護市の業者に6年前から業務を委託。
名護市の業者は注文を受けると、那覇市の衣装会社に代金とともに発注することになっていた。

業者は注文を受けると、那覇市の衣装会社に代金とともに発注することになっていた
業者は注文を受けると、那覇市の衣装会社に代金とともに発注することになっていた

しかし、2024年9月から連絡がつかなくなり、客から受け取ったはずの代金も支払われていないという。

現在分かっているだけで、この業者の契約は約120人分。被害金額は合わせて730万円に及んでいる。

さらに着服は今回が初めてではなかったといい、SMILEY・比嘉基生代表取締役は「2023年度に一度、売上金の着服があった。3000万円くらいすべて使ってしまったって自白があった」と説明する。

衣装会社は業務委託先の業者を刑事告訴するとしている。

県内の同業者が衣装の無償提供など救済に乗り出す

沖縄県では高校を卒業後、島を離れるなどして会う機会が少なくなるため…、

「二十歳の集い」では派手な衣装で盛大に祝う傾向にあるという。

1年以上前から準備することが多いという、大切な日のための衣装。
今回は間に合うのか。

比嘉基生代表取締役は「1年に1回ではなく、一生に1回の大きなイベントなので、発注の方は今かけている状態だが、まだ工場にお金は払えていない段階。着付師の手配や振り袖・はかまのヘアセットの手配も、この人数分をあと1週間~10日で確保するのに苦戦している」と、現状について話した。

こうした苦境を見かねて、沖縄県内の同業者が衣装の無償提供などの救済に乗り出している。

沖縄県内の同業キモノハーツが衣装の無償提供などの救済に乗り出した
沖縄県内の同業キモノハーツが衣装の無償提供などの救済に乗り出した

キモノハーツ・政田さん:
こちらが準備できるものでお客さまに提供する形になるが、そこで笑顔になっていただけるような温かい接客を心がけるようにしたい。

こうした事態を受け、二十歳の集いを控える沖縄県民からは「人生に一度のことなので寂しいなぁ」「自分が(お金を)出すにしろ、親が出すにしろ安くはないお金なので、人としてだめなことだと思うし、思い出も踏みにじるのかなと思う」といった声が聞かれた。
(「イット!」12月25日放送より)

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