大本命と言われながらも、これまで出馬を明言してこなかった菅官房長官が、満を持して自民党総裁選に名乗りを上げた。
会見で明かされた自らの政治信条、そして目指すべき日本とは何だったのか。

「私の持てる力を全て尽くす覚悟」

出馬表明前からポスト安倍の"大本命”に躍り出ていた菅義偉官房長官(71歳)。

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菅官房長官:
1人の政治家として、安倍政権を支えた者として、今なすべきことは何か、熟慮をしてまいりました。
そして私は、自由民主党総裁選挙に立候補する決意をした

あの「令和」発表会見と同じカラー、青のネクタイ姿での出馬宣言。

訴えたのは…

菅官房長官:
今年に入ってから、コロナ感染症拡大というかつてない事態に直面する中で、感染拡大と医療崩壊を防ぎ、同時に社会経済活動を再開する課題に真正面から取り組んできた。
安倍総裁が、全身全霊をかたむけて進めた取り組みをしっかり継承し、さらに前に進めるために、私の持てる力を全て尽くす覚悟であります

"菅総理”として、コロナ対策と経済活動の両立を図る”スガノミクス”については…

菅官房長官:
地方経済をもっと元気にしたい。なんとしても、コロナ感染拡大防止と社会経済活動の両立を図り、雇用を守り、経済の回復につなげていかなければならない

安倍政権を揺るがした「森友」「加計学園」をめぐる問題や、「桜を見る会」での安倍総理をめぐる疑惑については…

菅官房長官:
森友問題については、財務省関係の処分もあり、検察の捜査も行われて既に結論が出ている。
加計についても、法令にのっとるプロセスで検討が進められてきた。
桜を見る会については、国会で様々なご指摘があり、2020年は中止をしてこれからのあり方を見直します

また記者からは、まるで”菅総理”が誕生したかのような質問も相次いだ。

ベテラン勢の"三どもえ”となった総裁選

ベテラン勢の”三つどもえ”となった今回の自民党総裁選挙。

菅氏に挑む岸田政調会長と石破元幹事長は、9月2日の朝に放送されたフジテレビの情報番組「とくダネ」に相次いで生出演した。
安倍政権との差別化を問われた石破氏は…

自民党・石破元幹事長:
それぞれの政策を精査して、安全保障、社会保障どうなんだい、災害に対する防災省はいらないのかい、そういう話をしているわけですね

この後、入れ替わりで出演する岸田政調会長と笑顔でグータッチを交わした。

9月2日の岸田氏の隣には、午前中は女性が、午後になると男性がぴったりと付いていた。
実は、2人とも岸田派の若手議員で、厳しい戦いに挑む岸田氏をサポートしていた。

一方、石破氏は自民党議員への挨拶回りに奔走。
カメラがキャッチした相手の1人は、菅氏を支援する石原派の森山国対委員長だった。

すると…

石破元幹事長:
(都道府県での)党員投票を奨励するという話になっていますね。
何で全体でできないって話になっちゃう

森山国対委員長:
そこは県連でやらなきゃいけませんし…

省略された党員投票が話題にのぼり、見解の相違があった。

注目の総裁選挙は9月8日告示、9月14日投開票だ。

「安倍1強を継承して既に菅1強」

Live News it!のスタジオでは…

木村拓也アナウンサー:
菅長官の出馬表明で、本格的に三つどもえとなりました。
別所さんはどう思いますか?

別所哲也氏:
三どもえと言うけど、もうすでに"菅一強”というか、”安倍1強”を継承しての、会見だったなと僕は思いました。
そこに安心安全とか安定とか、やはりそういうことを国民が求めているのではないか…そこに訴えかけているのではないかと思います。
地方に対する配慮を僕はすごく感じました

木村拓也アナウンサー:
地方への思い、自分の原点という話をされていました。
確かに会見では、継承というワードと熟慮というワードが多く見られました。
果たしてどうなるのでしょうか。9月14日に投開票が行われます。

(Live News it! 9月2日放送より)