女子中学生が、ネット上で知り合った人物に多額の現金を送ってしまうというトラブルが発生した。その総額は100万円に上るという。一体何があったのかーー。
体調が悪い男性に同情心を抱き大金を送金
女子中学生が実際に使用していたスマートフォンの画面。

画面に映るのは、「1万5000円」や「7万円」の送金履歴。
わずか3カ月の間に、ネット上で知り合った男性に総額100万円という大金を送っていたのだ。
一体何があったのか?
送金した中学生のAさんと母親に話を聞いた。

中学生Aさん:
インフルエンサーになりたかった。TikTokも6万「いいね」きて。
インフルエンサーに憧れていたAさんは、ネット上で「界隈」と呼ばれるグループのうち、口げんかをしたい人が集まる「けんか界隈」で有名だった男性と知り合い、親しくなったという。
ところが、その男性に異変が起きたと聞かされる。
中学生Aさん:
その人が入院したって聞いて…ご飯食べてなくて栄養失調で倒れたと。
どんどんお金渡して、「ご飯食べて」って言って。
Aさんの母親:
娘いわく、同情してかわいそうという気持ちからやってしまったと。
男性と交わしたやり取りでは、お金を無心されているものの、体調が悪い男性に同情心を抱いたAさんはお金を送ることにした。

Aさんのスマホは、母親の許可がなければアプリのダウンロードやゲームなどでの課金ができない設定だったが、Aさんは普段から使っていたキャッシュレスアプリのPayPayを送金に使用する。

自宅で親が保管していた現金を持ち出し、コンビニでチャージして男性に送金していた。

実際の送金履歴を見ると、600円から7万円まで、ほぼ毎日のように送金していた。

9月からの3カ月間で、男性に加え「界隈」の他の男性ら合わせて7人に総額100万円を送ってしまったのだ。
相手に返金求め断られるも「返還を求めることは可能」と弁護士
母親は、自宅にあった現金が減っていることについて、会社の資金だったため、全く気付かなかったという。その後、娘のスマホと同期していた自分のスマホを見て送金が発覚する。
返金できないか警察に相談したが、脅迫をして振り込んだり送金をしてるわけではないので、詐欺罪にあたらないと言われたという。

母親は、娘が送金していた男性にLINEで返金を求めたが、男性は自身を17歳と明かしたうえで、「いいよ渡すよと言ってくれたので受け取ったという認識です」と、返金に応じなかった。
お金は取り戻せないのかーー。

ベリーベスト法律事務所の齊田貴士弁護士は、「今回の件を法律的に見ると、無償贈与契約に該当する。未成年者は当然契約行為を行わないので、その行為自体が無効、取り消し得る。法律上、返還請求権があることになる」と、相手に資金があれば返還を求めることは可能だと指摘した。
中学生Aさん:
ずっと後悔していて。でも後悔しても遅くて。私と同じような人がいるなら勇気を持ってやめるべきだなってことを伝えたい。
今回送金に使われたPayPayは、「ユーザーの意図に基づいて送金された場合においては補償の対象外となっています」としたうえで、ネット上でこれまでにやり取りがある相手でも、相手を十分に確認できない場合は取引をやめるよう注意を呼びかけている。
(「イット!」 12月19日放送)