もうひとつ「蛇」と深いつながりを持つのが、品川区にある「蛇窪神社」だ。

夢枕に出てきた“白蛇伝説”

蛇窪神社の創建は1323年ごろ。大干ばつに襲われた際、僧侶が断食をして龍神に雨乞いをしたところ大雨が降った。そのことに感謝し、社殿を作ったことが始まりとされる。

蛇窪神社(編集部撮影)
蛇窪神社(編集部撮影)

そんな蛇窪神社には、“白蛇伝説”がある。

蛇窪神社の境内にはかつて、白蛇が住んでいたが、水場がなくなったことでやむなく別の場所に移り住んだ。その白蛇はある日、近くの村人の夢枕に現れて「1日も早く、もとの住み処に帰してほしい」と懇願してきた。

この話を聞いた当時の宮司が、辨財天の使いの動物が蛇であるつながりもあり、厳島神社の辨財天と共に白蛇を祀ったという。これが、蛇窪神社にある「白蛇辨財天社」とされる 。

蛇と龍につながるお参りスポット

蛇窪神社の権禰宜・須永夏美さんによると、お参りする際のメインスポットは次の3つ。

白蛇辨財天社(編集部撮影)
白蛇辨財天社(編集部撮影)

白蛇辨財天社
二礼二拍手一礼で願掛けをする。辨財天の使いの動物が蛇であるゆかりから「金運」をつかさどるという。また、一般的な辨財天が琵琶を持つ姿から「芸事」の上達にもつながるとされる。

撫で白蛇(編集部撮影)
撫で白蛇(編集部撮影)

撫で白蛇
2匹の白蛇の像があるので、頭から体全体、中央の丸い玉(宝珠)の順番でなでるのがお勧め。蛇が脱皮して成長する姿から、自身の悪い状態を浄化し「再生や気力の復活」を助けるとされる。

蛇窪龍神社(編集部撮影)
蛇窪龍神社(編集部撮影)

蛇窪龍神社
二礼二拍手一礼で願掛けをする。神の使いである白蛇は「8匹目で白龍になる」という伝承から、7匹の白蛇と全長8mの白龍の像が奉納されている。「巳が龍になる」が「みがたつ(身が立つ)」と読めることから「立身出世」をもたらすと言われる。

左:銭回しで使う石臼 右:銭洗いの様子(編集部撮影)
左:銭回しで使う石臼 右:銭洗いの様子(編集部撮影)

このほか、蛇は“財産の守り神”としての信仰もあるため、社会やお金が良い方向に巡るよう願う「銭回し」、お金を清めて増えることを願う「銭洗い」などのスポットがある。

本殿(編集部撮影)
本殿(編集部撮影)

須永さんはお参りする前に、御祭神へのあいさつをしてほしいとも話す。

「まずは本殿の御祭神様(「天照大御神」「天児屋根命」「応神天皇」の三柱)にごあいさつをしてから、立身出世や財運隆昌などのお願いをするのが良いとされます」

蛇の皮を合わせた「お守り」も

蛇窪神社では、2025年最初の「巳の日」となる1月12日、白蛇神楽の奉納や、神社で世話をしている白蛇(みー君、しーちゃん)の展示を予定しているとのことだ。

蛇窪神社で世話をしている白蛇・しーちゃん(編集部撮影)
蛇窪神社で世話をしている白蛇・しーちゃん(編集部撮影)

お守りに関しては、1月1日~11日と通年の巳の日に、白蛇の脱皮した皮を合わせた「夢巳札」というお守りも用意する。

このほか、年間にわたって蛇の模様が入ったお守り、蛇の根付守り、白蛇の置物など、多数の蛇に関連する授与品がある。また、2025年は「乙巳白蛇御朱印」という特別な御朱印も並ぶという。

左:乙巳白蛇御朱印 右:夢巳札(編集部撮影)
左:乙巳白蛇御朱印 右:夢巳札(編集部撮影)

蛇窪神社がある場所は、昔の地名が「蛇窪」と言われていたということもあり、蛇との縁が深くあったのではと考えられているそうだ。

蛇窪神社の権禰宜・須永夏美さん(編集部撮影)
蛇窪神社の権禰宜・須永夏美さん(編集部撮影)

「2025年は巳年ということで、蛇窪神社とはご縁が深い年です。参拝してくださることで、より良い1年になるのではないでしょうか」と須永さんは話す。

巳年は蛇にまつわる神社仏閣に参拝し、新年の気持ちを新たにするのもいいかもしれない。

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プライムオンライン特集班
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