自民党派閥の政治資金問題を受け開かれた衆議院の政治倫理審査会で、旧安倍派の稲田朋美元防衛相がパーティー券収入のキックバックについて「還付があったことは知らなかった」と弁明した。

12月17日から3日間にわたり行われた今回の政倫審の対象は、萩生田元政調会長を含む旧安倍派と旧二階派の衆議院議員15人。このうち福井1区選出の稲田朋美衆院議員は、初日に出席。派閥からのキックバックについて「問題となるまで派閥から還付があったことは知らなかった」と弁明した。

政治資金パーティー券を巡る“裏金問題”で、稲田議員は、派閥からの還付金が82万円、派閥に収めない未清算金が114万円あり、合わせて196万円を政治資金収支報告書に記載していなかった。

稲田議員は冒頭、自身の不記載について「私の事務所において不記載が生じたことは全て私の責任」と謝罪したうえで、今後は「緊張感をもって政治資金の透明性を確保する」と説明した。

不記載に至った経緯については「派閥から還付があったことは、裏金事件として取りざたされた2023年12月まで知らなかった」とこれまで同様の説明に終始した。
また、自身の説明責任については、党の調査や地元への説明、選挙中の演説などで積極的に説明したとした。

また、今回の政倫審の焦点となっている派閥の裏金作りの実態解明については「派閥の最後の会合で、安倍会長がやめると決めた還付制度を復活させた経緯を、まずは明らかにしてほしい」と主張し、当時の派閥の幹部が国民に説明すべきだと主張した。

政倫審を終えた稲田議員は「改めて政倫審の場で、色々な質問に答えることができて良かった。私自身は自分が見聞きしたこと、調べたことは全て包み隠さず正直に話したと思っている」と述べた。