党員投票スルー進次郎がモノ申す

自民党総裁選は9月1日、岸田文雄政調会長(63)と石破茂元幹事長(63)が正式に出馬表明し、菅義偉官房長官(71)は2日に立候補を表明する予定だ。
一方、選出方法については党員投票は行わないことになり、波紋が広がっている。

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党員投票を行うのか?行わないのか?
自民党新総裁の選出方法を決める1日午前の自民党総務会に突然、小泉進次郎環境相が飛び入りで参加し、「党員投票を行うべきだ」とする主張を展開した。

小泉進次郎環境相:
残念ながらフルスペックの公選はやらずという結論になりましたが、フルスペックで総裁公選をやるべきだと約150人の国会議員、そして全国の自民党の地方組織の皆さん約400名がやるべきだと。

通常の総裁選は自民党所属の国会議員394人と同じ数に換算した全国の党員票の合計で争われる。

しかし、手続きに2カ月かかるという理由から執行部は党員投票を見送り、簡素化された両院議員総会での選出を決めた。

圧倒的不利「それでも立つ」石破氏・岸田氏それぞれの事情

この決定でより窮地に立たされたのが、地方での人気が高い石破茂元幹事長。
それでも、1日夕方に正式に総裁選への出馬を表明した。

石破茂元幹事長:
今回の総裁選挙が党員の皆様方に投票する資格が与えられない、極めて残念なことであります。
しかし、自分に不利だからやめておこう、私はそのような判断を致しません。
民主主義が正しく実現される、そういう自由民主党でありたいと思っております。

同じく総裁選への意欲を見せてきた岸田文雄政調会長も出馬を表明した。

岸田文雄政調会長:
自民党の総裁選挙に正式に立候補することを表明いたします。
私のすべてを賭けてこの戦いに臨んでいきたいと存じます。

「菅首相」誕生へ一直線 唯一の死角は「選ばれ方」

一方、各派閥から圧倒的な支持を得るのが菅官房長官だ。

二階派に続き、31日に麻生派と安倍首相の出身派閥で党内最大の細田派が菅氏支持の意向を固めると、石原派も支持へ。

石原伸晃元幹事長:
「菅総理」が誕生すれば、しっかりとした国政・万般の運営をしてもらえるものと確信しております。

総裁選出馬について菅氏自身は今日も明言を避けたが、2日にも出馬を正式表明する見通しだ。

その菅氏が横浜市議だったころから交流がある田野井一雄氏に話を聞くと。

横浜市・田野井一雄市議:
実は3日前に電話をいただきました。
その時は「私は出馬するなんて1回も言ってないんだよ」と言っていた。言っちゃいけないことは家族にも言わないタイプですから。

菅氏の人柄については…

横浜市・田野井一雄市議:
私の家内ががんで58歳で他界したんですよ。
その時、菅さんの選挙だったんですね。彼はそこを選挙を2日間も休んで(支えてくれた)
義理人情節度礼節、そういう「わびさび」を踏まえた人ですね。

そんな義理と人情に厚い菅氏だが、今回の「党員投票なし」という執行部の判断が、今後アキレス腱にもなりかねないという見方も。

自民党中堅(談):
密室政治になっちゃう。古い政治の象徴とはもう時代は変わったんだよ。
菅さんは改革派だと思っていたのに、守旧派になっちゃったのかな。

今回の結論には、街からも疑問の声が…

60代女性:
すごい昔からの流れが一向に変わってない。
時代だけが過ぎても内情は変わらないと思ってます。

党員投票なしでの「総裁選び」で今後の国のかじ取りはどう変わるのか?
注目の投開票は9月14日の見通しだ。

(Live News it!9月1日放送分より)