リンゴと言えば、どこを思い浮かべるだろうか。
北海道では後志の余市町や道南の七飯町が有名だが、意外な場所で実っているという情報を入手し、調査した。
真冬の根室市に謎のリンゴが
「すごい!これこれ!こんなに赤っぽいのが。毎年なっていたんですか?」(付近の住民)
「7~8年くらい前から」(リンゴの木の持ち主)
この記事の画像(19枚)雪が降る中に立つ一本の木。
周辺住民も驚く光景が広がっていた。
この赤い実は。
「ありました、木には立派なリンゴが何個もなっています。もう12月で雪も降っていますが、実っているのは根室市の住宅街です」(沼田海征 記者)
北海道根室市の住宅の庭で実っていたのは「リンゴ」だ。
1個や2個ではなく、かなりの数。
家の持ち主によると、20年ほど前に来たときから木は生えていて、年々成長。
7~8年前から実をつけ始め、2024年は9月下旬頃に実がなったという。
「最初はゴルフボールくらいだったんだよね。それがだんだん大きくなって、2023年もこれよりひと回りくらい小さかったのかな」(リンゴの木の持ち主)
謎のリンゴ その味は?
2024年になって突然大きくなったというリンゴ。
その味は。
「切ってみたけど渋いような感じだったんだよね最初の頃は。今は食べたことないけど。食べてみてください」(リンゴの木の持ち主)
一体どんな味なのか。
おそるおそる記者が食べてみると。
「普通においしいリンゴ。酸味よりは甘い、おいしい」(沼田記者)
うわさを聞きつけ、近所の住民もリンゴを見に来たついでにパクリ。
「ジョナゴールドだわ!この酸っぱさと酸味があってね!」
「Q:味はどう?」
「おいしい!」
「すごく甘くておいしいです」(いずれも付近の住民)
「まだ食べていないでしょ!」(カメラマン)
本土最東端の根室になぜリンゴが?
ところでリンゴと言えば、後志の余市町や北海道南部の七飯町が有名。
本土最東端の根室で何が起きているのだろうか。
元・気象庁職員で、いまは市民ボランティアとして根室市の流氷観測を行っている、根室の気候のスペシャリストに話を聞いた。
「(根室は)秋になると小樽とか余市と同じぐらいの気温なんです。実のなるものがなるというのは不思議ではないんですが、そのぐらい暖かかったってことですね」(元・気象庁職員 船山岩雄さん)
2023年8月、根室市では最高気温の月平均が観測史上最も高い24.7度を記録。
歴史的な暑さが続き、コンブ漁にも影響が出ている。
月の平均気温では、9月から11月までの小樽と根室の気温差は、ここ2年では2度前後。
船山さんは、この夏の暑さも加わりリンゴが成長したのではないかと見ている。
どこから来た? 何の品種?
では、このリンゴはどこから来て、何の品種なのか。
「種をまいてそこから芽が出て、それが実をつけだしたのではないかというのが1つの考え」(北海道立総合研究機構 作物開発部 吉田昌幸さん)
鳥や人間がまいた種から成長した可能性があるという。
さらに!
「(リンゴは)種から出たものは親の品種とは別のものになってしまう。世界中でたった1つの品種というか系統になりますね」(吉田さん)
謎に包まれた根室で見つかったリンゴの木。
今後も、ますます実をつけることになるのだろうか。