12月1日に行われた「日本維新の会」の代表選挙。 4人が立候補する中、新しい代表に選ばれたのは、やはりこの人だ。
日本維新の会・吉村洋文新代表:維新の会、厳しい状況にありますけれども。永田町の古い政治のやりかた、それをぶっ壊して、次世代の、現役世代の頑張れるような、そんな政策を実行していく改革政党でありたい。
■【動画で見る】「なぜ前原さん?」維新・吉村新代表「僕は地下鉄を民営化。前原さんは空港を民営化。経験も豊富。永田町の文化変える」
今回の代表選挙は、そもそも10月の衆議院選挙での惨敗を受け、馬場伸幸前代表の責任を問う形で実施が決定。 下馬評では、吉村氏の圧倒的な優勢が見込まれていた。
■党員の声は

維新の会の党員からは…
日本維新の会・党員:大敗を受けて原点回帰で吉村さんでもいいのかなという気もする。
日本維新の会・党員:来年、参議院議員選挙と大阪・関西万博がかぶるので、吉村さんに関しては府知事としての仕事をちゃんとやってもらいたい。
さまざまな意見が聞かれる中だったが、結果的には、党勢立て直しへの期待を一身に集め、吉村氏が得票の8割近くを集めての圧勝。
■「第2自民党」を掲げてきた“馬場路線”との決別

打ち出したのは、「第2自民党」を掲げてきた“馬場路線”との決別だった。
日本維新の会・吉村洋文新代表:自公政権とは当然、対峙をしていく。距離を置いて対峙をしてぶつかっていくと。自民党の与党過半数割れを目指すべきだと思います。その方が我々の公約を実現する可能性に近づくから。
ただ、代表選挙の投票率は、半数にも満たないおよそ42パーセントと、党内ですら盛り上がりに欠ける事態。 上向かない党勢に、国会での存在感低下と、課題山積みの維新の会をどう引っ張っていくのか。
■代表戦で自分が勝つと思っていた?

一問一答形式で、質問に答えてもらう。
日本維新の会・吉村洋文新代表:Q.代表戦で「結局、自分が勝つ」と思っていた? (Q:迷いながら〇を上げていたが、勝つと思っていなかったか?) もちろん投票率がどうなるか分からないっていうのはありましたし、それから選挙そのものも大切なんですけど、まず自分が出るまで非常に迷って判断をしたんですけど、選挙に出るかどうかっていうところのほうが振り返ってみると思いが強いですね。
(Q:投票率が42%。吉村さんが強すぎて盛り上がりに欠けたんじゃないかという指摘もある) 日本維新の会・吉村洋文新代表:一般の党員の方に応援していただけるのはありがたい話ですから、その分『頑張れよ』ということなので。僕は選挙で1票を与えていただいた以上、他3人のメンバーも立候補して議論も交わしましたから、3人の分も含めて一致団結した形で進めていきたいと思います。
■維新は吉村代表頼み?人材不足?

吉村さんは、大阪維新の会の代表、大阪府知事も務めながら、日本維新の会の代表にもなった。3足のわらじ。 Q.他にやる人はいない?人材不足? これについて、×を上げました。
(Q:来年は万博もある。全てできるのか?) 日本維新の会・吉村洋文新代表:なんとか持ち上げてやっていこうと思います。
■前原氏に共同代表の就任を要請した理由

共同通信社編集委員 太田昌克さん:私は前原さんとは20年来、取材でお付き合いがあります。前原さんは自公政権に代わる束をつくらないと、政権を取らないと死んでも死にきれないと私に言うんです。吉村さんにお聞きしたいのは、前原さんを担いだ理由、それから政権交代の道筋は描いていますか?
日本維新の会・吉村洋文新代表:なんで前原さんなの?って思っている方もいらっしゃると思います。確かに賛否あると思います。 僕自身は、前原さんと参議院選挙も一緒にやっていたこともあるんですけど、非常に考え方が近いと思いますし、何より伊丹空港と関西空港、関西の主要空港ですけど、 元は国営で閑古鳥が鳴いて大変な状態だったんです。 今、すごい栄えてるじゃないですか。民営化して、経営が順調で、空港の中身が変わった。(前原さんが)国交大臣の時にされたんです。橋下さんが『伊丹廃止』というとこから始まって、民営化したのは、実はすごいことだなと思っています。
■前原氏とは事前に話をして、共同代表を要請した

日本維新の会・吉村洋文新代表:私自身も大阪市長の時に大阪市営地下鉄を民営化しました。今、大阪メトロになっています。 トイレの空間も綺麗になったり、地下空間も綺麗になったり、実際変わってきていることも体感されてると思いますが、市営地下鉄民営化するのも、すっごい大変だったんですよ。口で言うのは簡単ですけど。 僕は地下鉄を民営化した。前原さんは空港を民営化した。これは国交大臣としてすごい腹くくってやったなって感じていて、経験も豊富だし、実績もある。そして自民党と対峙するかたちで、そういった塊を作ってぶつかっていこうじゃないかというところも非常に共感するところもあります。 ただこれは選挙で選ばれる代表ですから、前原さんとは事前に話をした。『僕と前原さんとは違うところもあります。こういう方針、こういう考え方で政党やっていきますけど、応援していただけますか?』という話を前原さんに会ってした。 前原さんは『もし選挙で選ばれたら代表なんだから、当然それでやります』ということも言ってくださったので、共同代表にお願いをしたということですね。
■前原氏と一緒にやりたいことができるのか

(Q:前原氏は国会議員としてのキャリアも実績もある。本当に前原氏と一緒にやりたいことができるのか?)
日本維新の会・吉村洋文新代表:だから一緒に話をしたんです。(前原さんは)実績も経験も上です。だからこそ前原さんと一緒に話をして、例えば飲み食い政治一つとってもそうですよ。永田町の文化を変える。もちろん前原さんは永田町文化の中で、いろんなやり取りをしてこられた方です。 僕はこういう考え方で永田町文化を変えていきたい。次世代に向いた政治をやりたい。教育無償化は同じ方向ですけど。そこも選挙で選ばれた代表だから、意見や議論あるかもしれないけど、最後決定したら従ってほしい。やっていただけますか?と前原さんと話した。前原さんは『やる』とおっしゃったので、前原さんを共同代表に。 もう一つ、前原さんにした理由は、『維新の人材不足』の質問で悩んだんですけど、代表になれる人はいると思うんですが、層が薄いのは間違いないと思います。維新の会の国会議員は、国政政党として。もちろん先輩で、経験豊富な人もいるんですけど、僕はやっぱり若手を育てたいという思いもあるんですよ。前原さんがいるので、今回三役はいずれも若手を揃えました。
■維新は不祥事が多いイメージ…払拭できるか

Q.維新派不祥事が多いイメージ。変えられる? これについて、吉村代表は〇を上げた。 維新の不祥事、一部抜粋でまとめる。 9月:元衆議院議員が未成年への不同意性交の疑いで逮捕。 9月:衆院選で候補者陣営がスパイ行為で離党。 10月:衆院選で候補者が講演会の名簿を許可なく選挙ハガキに使用した。その後、候補者の方は当選されている。 11月:岸和田市長が女性との性的関係巡り、裁判沙汰となるも和解。
■「党のガバナンスを強化したい」

(Q:候補者の“身体検査”はどうする?)
日本維新の会・吉村洋文新代表:最後まで面接だけではわからないのは事実。ただやはり不祥事をなくしていきたいという思いを込めて〇にした。不祥事は必ず出てきます。できるだけそれを少なくしていきたい。 最初の身体検査はもちろんですけれども、やはり入ってからの研修であったり、意識の徹底であったり、そういったことをより強化したいと思います。 僕自身も含めて党のガバナンスを強化したいと思っているんです。僕だって間違えるかも分からないから、党の運営を健全にしていくための統治機構のルール、ガバナンス委員会をたてて、執行部から離れた目からもアドバイスをしてもらうような、そういったことも作りながらやりたい。ガバナンスを強化する党運営をしっかりやりたい。
(Q:公認を厳しくする?) 日本維新の会・吉村洋文新代表:これまでも決して緩くやっているわけではないですけど、きちんとチェックはしていきたいと思います。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年12月2日放送)