過去に勤務していた学校の卒業生で、高校に通う女子生徒(当時)にわいせつな行為をしたとして、静岡県教育委員会は県東部の中学校に勤務する男性教師を懲戒免職処分とした。男性教師は「罪を償う時が来たと思っている」などと話しているそうだ。
当時の教え子に恋愛感情を抱くようになり…
11月25日付で懲戒免職処分となったのは県東部の中学校に勤務する男性教師で、2018年4月から9月までの間、過去に勤務していた中学校の卒業生で、当時は高校生だった女子生徒にわいせつな行為をしたという。

県教委によると男性教師は2015年度から教職に就き、その頃から女子生徒とSNSで個人的なやり取りを始めた後、2016年度から2017年度にかけては交際した上でわいせつな行為に及んだ。
さらに、2018年4月から9月にかけても、同じ生徒に対してわいせつな行為を行ったこともわかっている。
不適切な行為は2024年7月上旬になって外部から情報提供があったことで発覚し、男性教師は県教委の聞き取りに対し「許されない行為であるという認識はあったが自分の気持ちを抑えられず行動に移してしまった」と話した上で、「罪を償う時が来たと思っている。女子生徒の心をもてあそんでしまったことについて申し訳ない」などと反省の弁を述べているという。

また、男性教師は女子生徒に勉強を教えたり、相談を聞いたりする中で「『守ってあげたい』『自分が助けてあげたい』という感情を抱いた」とも口にしている。
ただ、男性教師が県の教員として採用されたのが2018年度であることから、2018年度のわいせつ行為のみが県教委として行う懲戒処分の対象となった。
なぜ?体罰ではなく“不適切な言動”
一方、生徒への不適切な言動で戒告処分を受けたのは県立浜北西高校の男性教師(63)だ。
男性教師は2024年8月26日、自らが指導する部活動が他校と練習試合をした際、競技で使用する用具やペットボトルを地面に投げつけた結果、部員1人のすねやかかとに当たりケガをさせたほか、指導中に同部員の首を後ろからつかんだという。

同じ日のうちに男性教師は被害に遭った部員本人と保護者に謝罪したものの、県教委に匿名の通報が複数寄せられたため学校が確認したところ、男性教師は概ね事実であることを認めた。
これを受け、男性教師は9月12日に校長から部活動の指導から外れるよう命じられていて、聞き取りに対しては「物を投げた行為は反省している。今後は物を投げない」と話しているということだ。
なお、被害を受けた部員は打撲したものの治療を受けた後、9月5日から部活動の練習に復帰しているという。

この懲戒処分をめぐっては、県教委が「生徒への不適切な言動」としていて、体罰と認定しなかった理由については「当時の状況等から判断した」と説明している。
2024年度の懲戒処分は計11件
一連の不祥事を受け、県教委の池上重弘 教育長は「学校教育に対する信頼を著しく失わせるものであり、社会的責任は極めて大きい。教職員全体の一層の綱紀粛正と使命感・倫理観の高揚を図り、教育行政の信頼回復に努める」とコメントしている。