天皇皇后両陛下は11月9日、「全国豊かな海づくり大会」に出席するため大分県を訪問されました。
この記事の画像(17枚)はじめに、国東市でマコガレイの稚魚を飼育する施設を視察されました。
高級魚として知られるマコガレイ。この施設では、稚魚の成長を促すために緑色のLEDライトを当てています。
飼育について、「病気にご苦労されているんじゃないですか」などと質問された両陛下。
スプーンで餌を与え、マコガレイが集まってくる様子をうれしそうに見守られました。
また、地元の若手漁師から底引き網漁の方法などについて説明を受け、後継者不足や温暖化の影響などを心配されていました。
この日の夕方、大分市内のホテルで、海づくり大会の絵画・習字コンクールで入賞した小中学生と懇談されました。
タコが釣れた時の様子を生き生きと描いた小学3年生の児童に陛下は「大きなタコでしたか?」、皇后さまは「墨を吹きましたか?」などとにこやかに声を掛けられました。
「タコはどうなりましたか?」と聞かれた児童は「お刺身にして食べました」と答えていました。
翌10日、両陛下は全国豊かな海づくり大会の式典に臨まれました。
昭和56年に始まった海づくり大会。
第1回大会が行われたのが大分県でした。
当時皇太子だった上皇ご夫妻が出席し、500隻の大船団とともに船から稚魚を放流されました。
それから43年、大分で2回目となる大会で、陛下は「大会始まりの地で行われる今回の大会を契機として、全国各地において取り組まれてきた豊かな海づくりの活動に、皆さんの英知と努力を再び結集し、更に発展させていくことを期待します」とおことばを述べられました。
式典では大会を記念して、両陛下からイサキやキジハタの稚魚などが漁業関係者に手渡されました。
式典後、別府港に移動された両陛下。
雨の中、大漁旗を掲げた41隻の漁船が海上パレードで両陛下を歓迎しました。
放流行事では地元の高校生から稚魚を受け取り、小学生の合図でそっと容器を傾け、マコガレイとマダイの稚魚を放流されました。
海の環境が守られ、豊かな海づくりの輪がさらに広がっていくことを願われた、天皇皇后両陛下です。
(「皇室ご一家」11月24日放送)