大分県大分市のTOS本社で動けなくなっているフクロウが見つかった。防犯カメラにはそれまでの一部始終をとらえた映像が…。そこにはフクロウがカラスに追われガラスにぶつかる姿が映されていた。TOSはこのフクロウを保護し、その後、元気に森に戻るまでの動きに密着した。
テレビ局社屋にフクロウ衝突 カラス襲撃からの警備員救出劇

TOSの本社に設置された防犯カメラの映像。
そこには、午前7時ごろ、フクロウがガラスにぶつかり地面に落ちる姿が映されていた。
カラスに追われたフクロウはガラスに激突して、地面で動けなくなっていたところを職員に保護された。

周辺にはフクロウを襲ったカラスの姿も。様子を見た警備員が傘を手にし、カラスを追い払おうと走っていく。
こうして保護されたフクロウ。普段は森や山に生息しているため、大分市中心部で見られるのは珍しいという。

検査の結果、フクロウにけがはなし

フクロウはこの日のうちに、県の獣医師会により大分市内の動物病院に運ばれた。
検査の結果、フクロウにけがはなかった。
そして今後様子を見たあと、山に放す予定となった。
「なんやこれ、可愛すぎる」一部始終を公開した動画が話題に
この一部始終を公開したTOSの公式YouTubeの動画には、フクロウの愛くるしい姿に大きな反響が。「なんやこれ、可愛すぎるニュースありがとう」「表情が可愛すぎて思わず再生してしまった」「保護してくれた警備員さんありがとう!獣医さんもありがとう!」など、11月20日時点で、550件以上のコメントが寄せられている。
フクロウ救出から4日後…森へ飛び立つ日がやってきた

フクロウ救出から4日後、新たな住みかに飛び立つ日がやってきた。
これまでの検査の結果、カラスに襲われた際のケガはなく、健康状態にも問題ないという。
「けさも親指の頭くらいの鶏肉を5きれあげてお腹いっぱいだから十分飛べると思う」こう話すのは、4日間フクロウを保護していた、大分動物愛護病院の工藤裕彦獣医師だ。
そしてついに戻るときが…。フクロウは工藤獣医師に連れられ、病院から車で約30分ほどの別府市内の森に移動。

いよいよ別れの時。工藤獣医師は「少し悲しい気持ちもあるでも自然の鳥なのでこういった森の中で暮らすのが一番ではないかと思う」と話し、4日間面倒をみたフクロウとの別れが少し寂しそうだった。
翼を大きく広げ 勢いよく空へ

かごをあけた瞬間、フクロウは翼を大きく広げて元気そうな様子、さっそうと自然へと帰っていいった。

「ここならおそらくかなり標高も高いし、カラスをあまり見かけることがないのでここなら安心だと思う」と工藤獣医師はほっとした様子を見せた。
フクロウについて県は絶滅の危険が増大しているとして保護を呼びかけている。

(テレビ大分)