2024年8月、茨城県内に住む60代の男性に、厚労相を名乗る男から「保険証が悪用されている」と電話があった。男は警察に被害届を出すよう要求し、その後、警察署へ電話が転送されると、ニセ警察官が登場。
そこで男性の妻が機転を利かせ、本物の警察官が電話を交代。電話越しに、ニセ警察官を追い詰めていった。茨城県警によると、県内ではこうした詐欺電話が相次いで発生しているという。
ニセ警察官VS本物の警察官
FNNが独自に入手した、詐欺電話の実際の音声。
電話の主はニセ警察官、対応するのは本物の警察官だ。
ニセ警察官:
今から私、仙台中央警察署捜査二課担当クドウが事情聴取行いますので、よろしくお願いします。
本物の警察官:
クドウさん、下の名前は?
ニセ警察官:
ハジメです。
本物の警察官:
捜査二課で、専門は何やってるんですか?
ニセ警察官:
専門というのは?
本物の警察官:
だますのを専門にしてるの?クドウハジメさんなんていないでしょ、仙台中央署に。
厚労省名乗る男から電話が…
2024年8月、茨城県内に住む60代の男性にかかってきた電話。
相手の男は「厚生労働省保健医療局の重森」と名乗り、保険証が悪用されていると伝えてきた。
厚労省を名乗る男:
奥さまの健康保険証、ご家族の健康保険証も止まってしまう可能性がもちろんあります。
電話を受けた男性:
妻の健康保険証も停止される可能性があるということ?
身に覚えがないことを伝えると、男は警察に被害届を出すよう求めてきた。
その後、もっともらしい説明を重ね、電話を転送する。
男いわく、転送先は警察署。しかし、電話に出たのはニセ警察官。
電話を受けた男性:
中央警察署でしょうか。
ニセ警察官:
はい、仙台中央警察署です。
ニセ警察官は「特例で電話で事情聴取を行い、被害届を作成する」と話す。
ニセ警察官:
特別な事情がある方に限っては、この在宅での事情聴取を許可しています。もう今から事情聴取の方、これからお電話で開始しようと思いますが大丈夫そうですか?
その後、男は“事情聴取”と称して男性の個人情報を聞き出してきた。
しかし、男性の妻が機転を利かせていた。
通報を受けて茨城県警の警察官が駆け付けたのだ。
電話を替わり、ニセ警察官と本物の警察官の対決が始まった。
茨城県警:
もう大丈夫です。被害届も何もいらないです。ひたちなか警察署行きます。もう一度お名前聞いていいですか?
ニセ警察官:
私クドウと申します。
茨城県警:
下の名前は?
ニセ警察官:
ハジメです。
茨城県警:
クドウハジメさんなんていないでしょ、仙台中央署に。
ニセ警察官:
どうされました?なんなんですかこれ、いたずら電話ですか?
茨城県警:
いたずら電話はあなたの方ですよ。
(私は)ひたちなか署の刑事だよ!あなたたちの録音は全部とらせてもらったから。
ニセモノ警察手帳見せ連絡も…
茨城県警によると、県内ではこうした詐欺電話が相次いでいるという。
“警視庁の木村”を名乗る人物から送られた、偽物の警察手帳の画像。
2024年9月、70代の男性宅に総務省を名乗る人物から「携帯が悪用されている」との電話があり、その後、LINEに“警視庁の木村”を名乗る人物から「疑いを晴らすためサポートする」との連絡があり、メッセージのやり取りが始まった。
その途中、口座番号を聞かれるなどしたため、男性は警察に相談したということだ。
茨城県警は、警察が捜査対象者に捜査状況を伝えることや、金銭を要求することはないとしたうえで、もしもの場合は警察などに相談するよう呼び掛けている。
(「イット!」11月12日放送より)