東日本大震災後から停止していた、宮城県の東北電力・女川原発2号機は、10月29日に再稼働する。福島の教訓をいかせるのかが課題となる。原発事故被災地からは、安全を最優先にする声が聞かれた。

震災から13年7カ月

武藤容治経済産業相が「東日本の原子力発電所といたしましても、国内のBWR(沸騰水型軽水炉=福島第一原発と同じ)としても震災後初めての起動でありますし、大きな節目となると思います」と話す女川原発2号機の再稼働。

武藤容治経済産業相
武藤容治経済産業相
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東日本大震災と福島第一原発の事故から13年7カ月あまり、女川原発2号機は10月29日午後6時以降に核分裂を押さえる「制御棒」を引き抜き、その後3時間で核分裂反応が連続的に起こる「臨界」状態になる見通しだ。

大臣は必要性を強調

武藤経産大臣は10月29日の会見で「今後、電力需要の増加が見込まれる中で、東日本における電力供給構造のぜい弱性や電気料金の東西格差、脱炭素電源による経済成長機会の確保という観点から、東日本の原子力発電所の再稼働は極めて重要であると思います」とその必要性を強調しました。

原子力発電所の状況(出典:経済産業省)
原子力発電所の状況(出典:経済産業省)

国内の原子力発電所は、東京電力・福島第一原発の事故の反省から、より厳しい運転基準への対応を求められていて、これまでに再稼働したのは12基で、24基は廃炉となった。

事故被災地「安全を最優先してほしい」

被災地の原発として東日本大震災後初めての再稼働に、宮城県仙台市の東北電力本店では抗議活動も行われた。

東北電力本店(宮城県仙台市)前での抗議活動
東北電力本店(宮城県仙台市)前での抗議活動

福島第一原発が立地する福島県大熊町や双葉町の住民からは「ずいぶん防波堤も高くしたのでしょ。あのくらいやれば良いかなと思う。再稼働はやむを得ないのでは」「(事故で)こうなるから止めたほうが良い。それに代わるエネルギーが何かあるのかと言われると、まだないのではないかなと」という賛否の声や

福島の被災地では13年経ってもそのままのところも
福島の被災地では13年経ってもそのままのところも

「どちらとも言えない。生活にも困るだろうしね。二度とこんな(事故が)起きないようにして頂きたい」といった声が聞かれたが、一番願うのは「安全を最優先してほしい」ということだけだ。

(福島テレビ)

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