いまフィリピンの東を進んでいる、台風21号。このあと発達を続け、31日(木)に沖縄・先島諸島に最接近する。

ちょうどこの頃が勢力のピークとなり、最大瞬間風速が70m/sとなる可能性もあり、十分に注意して頂きたいが、さらに”このあと”についても心配な予想が出てきた。

進路が東に急カーブし、2日(土)からの3連休、特にその前半、全国に横殴りの大雨をもたらす可能性があるのだ。

さらに、秋ならではの注意点も…

今後「非常に強い」勢力まで発達

台風21号は、28日(月)15時現在、中心気圧が980hPaだが、このあと31日(木)には935hPaまで発達。「非常に強い」勢力となり、中心付近の最大風速50m/s、最大瞬間風速は70m/sとなる。

台風21号の予想進路
台風21号の予想進路
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ちょうどこの辺りで沖縄・先島諸島に最接近となる見込みなので、30日(水)以降、沖縄地方のみなさんは大荒れの天気にご注意いただきたい。

そしてこの後、台風に“変化”が起き始める。

低気圧になってさらに”発達”も?

最新の予想だと、台風21号は11月2日(土)に「熱帯低気圧」に戻る。

「熱帯低気圧」に変化後も強い雨を降らすリスクが続く
「熱帯低気圧」に変化後も強い雨を降らすリスクが続く

勢力が落ち、風が弱まるため台風ではなくなるが、南から来た暖かく湿った空気の固まりであることは変わりなく、周辺に強い雨を降らすリスクが続く。

また、この暖気と日本付近にある寒気とが混ざることで、今度は「温帯低気圧」に変わってさらに発達する可能性がある。こうなると、風がさらに強まったり、その影響がでる範囲がより広がったりする。

3連休は、まさにこれが、本州などのすぐ近くで起きる可能性がある。

全国的に”横殴りの大雨”に

雨は1日(金)に西から順に強まっていきそうだが、2日(土)になると、こちらも西から風がだんだんと強くなってくる。

11月1日から2日にかけ全国の広い範囲で”横殴りの大雨”が予想
11月1日から2日にかけ全国の広い範囲で”横殴りの大雨”が予想

週末は全国の広い範囲で強い風が吹いて”横殴りの大雨”となりそうだ。太平洋側でも交通に影響が出る可能性がある。

そして、秋ならではのもう一つの注意点がある。

”突然の大荒れ”にご注意!

秋は偏西風が列島付近にあるため、これに乗った台風や低気圧が一気に東に進むことが多い。

今回、台風21号から変わる低気圧も偏西風に乗り、日本海を一気に東へ進む予想となっている。

突然天候が大荒れになる可能性も
突然天候が大荒れになる可能性も

この影響で強い雨や風が「急にやってくる」ため、天候が突然大荒れになることが心配される。

風雨への備えは影響が出始める前に終わらせておくと良さそうだ。また、旅行などでお出かけされる方も、余裕をもったスケジュールで移動して頂くと安心だ。

(フジテレビ気象センター 川原浩揮)

川原浩揮
川原浩揮

気象予報士/防災士/フジテレビ気象担当部長
アナウンサーとして入社後、制作を希望して異動。報道記者、情報番組ディレクター・プロデューサー、ニューヨーク支局員を経て、現在は気象センターに所属。
フジテレビの気象情報・演出がメディアで一番「見やすく、分かりやすく、興味深い」と言って頂けることを目指しています。
天気を味方につけ生活を豊かにできるコンテンツを創る『そらラボ』を立ち上げ、「食べヨミ」「おてんきメイク」「タイムリミット絶景」などを開発、展開中。