福岡・朝倉市の『キリン花園』。ビール麦の試験圃場跡地を利用した約7ヘクタールを有する花園だ。例年だとこの時期は辺り一面、色とりどりのコスモスの花が咲き誇るのだが、いまは緑が一面に広がり、花は殆ど咲いていない状態となっている。

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1年前の同じ時期に同じ場所で撮影した映像には、競うように約1千万本のコスモスが辺り一面に咲き広がっていた。

しかし1年後の10月12日、同じ場所には数えるほどしか咲いていなかった。ほとんどが蕾で、まだまだ咲きそうにはない感じだ。

頭を抱える「フェスタ」出店業者

キリン花園では、10月12日から11月4日まで「コスモスフェスタ」を開催。しかしコスモスの開花が遅れていることで、例年ほどの来場者は見込めないのではと出店業者は頭を抱える。

パンやケーキを出店する業者に尋ねると「去年の今頃は咲いていたからね。フェスタの来場者を何とか確保しないといけない。やはり自然が相手だとどうしようもないね」と話していた。

一方、福岡市の海の中道海浜公園も同じような状況になっている。海浜公園広報係の山本樹さんは「本来だと10月中旬には、コスモスは見頃を迎えていておかしくない。しかし今年はまだまだ2分咲きくらいです」と話す。

原因はやはり“猛暑” さらに“少雨”

一体なぜコスモスの開花は遅れているのか?海浜公園の山本さんは「コスモスは、例年7月に種をまくが、そのときの気温がかなり高かったことが影響している。今年は梅雨が短くて、梅雨明け直後に種をまいたエリアは比較的、発芽したが、梅雨明けから少し経った7月中旬から下旬頃にまいた種は、高温すぎてうまく発芽しなかった。そのことが今の時期に咲いていない原因として考えられる」と分析した。

さらに「その後、うまく発芽しなかったエリアについては改めて苗を植えなおしたので、その分、例年よりも開花が遅れている状態」と山本さんは続けた。

開花が遅れているのはコスモスだけではない。バラやキキョウなど秋の花の開花が軒並み遅れていて、逆に本来ならば9月中旬ごろが見頃となっているヒガンバナがまだまだ楽しめるところもあるという。

記録的な猛暑と少雨が影響し、開花が遅れている福岡のコスモス。見頃は、例年よりも大幅に遅い10月下旬から11月上旬頃と予想されている。

(テレビ西日本)

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