施設の一角に集まったシニアの方達。
背中には、青い装置が付いています。
小林 宏教授:
赤いボタン押して、前屈みになってください。
行われていたのは、“自分の力で歩き続けるためのリハビリ”。
そのサポートをしているのが、この装置「マッスルスーツ」です!
小林 宏教授:
姿勢というのは、生活の中で一番重要なことのひとつだと思うので、(姿勢がよくなると)生活全般の活動がしやすくなる。
開発したのは、東京理科大学の小林 宏(こばやし・ひろし)教授(58)。
高齢化が進む中で、“寝たきりになることを防ぎたい”とマッスルスーツを作ったんです。
小林 宏教授:
(自分が)一番嫌なことは何かなって考えて、 “動けなくなること” “自立できなくなること” だと思ったので、人の体を動かせるようになるものを作ろうと。
この「マッスルスーツ」は、空気の力で骨盤の傾きなどを矯正し、姿勢を良くします。
すると、股関節の可動域が広がり、歩きやすくなるんだそうです。
おばあちゃん:
すごく楽に歩けるようになった。
小林 宏教授:
股関節を治すと、膝も治っていくんです。
そういう効果が検証できてよかったなと思います。
大学時代にロボット研究を始めた小林教授は、30代でマッスルスーツを開発。
それから24年経った今も、スーツの改良に取り組んでいます。
小林 宏教授:
スマホの普及でずっとこういう姿勢の人も多くて、どんどん(姿勢が)ひどくなっていくと思うんです。
正しい姿勢で自立歩行を、死ぬまでできるようにしたいと思います。
マッスルスーツを活用し、“誰もが自立歩行できる社会の実現” に向け、小林教授の挑戦はあすも続きます。
(「イット!」10月3日放送より)