この夏、心温まる救出劇があった。野良猫とみられる1匹の子猫が交差点で信号待ちをしていた車のエンジンルームに入り込み、脱水症状で命の危機に。住民や警察官など8人が駆け付け、見事な連携プレーで子猫の命を救った。
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危ない…子猫がエンジンルームに
キャットタワーですやすやお昼寝。
長野県安曇野市の丸山さんの愛猫「帆立」。
まだ生後4ヵ月。

「帆立」は多くの人の協力で命を救われた。
それは、7月下旬のこと。交差点で信号待ちをしていた時だった。

丸山匡弘さんは、「子猫が車の下に入ってくるのが見えました」と当時を振り返る。
信号が青に変わった直後だった。

妻の未紗さんは、「慌てて降りて、車の下を確認したら子猫が鳴いてたんですよね」と話す。
子猫はエンジンルームの隙間に入り込んでいた。
住民、警察官、整備士が駆けつけ
なんとか助け出そうと手を伸ばしたり傘でつついたりしていると、後ろの車に乗っていた2人が駆け付けた。
猫2匹と暮らす夫婦で、子猫に優しく声をかける。
その間、未紗さんは安曇野警察署に電話で相談。
すると、警察官3人が駆けつけ、交差点で交通整理が始まった。

「夫婦が乗っていた車のジャッキを使って、警察官が車をあげてくれた。タイミングよく車で通りがかった男性が『ぼく整備士です』って工具を持って駆け寄ってきてくれて、(最後は)車の下にもぐって、子猫を出してくれました」と未紗さんは当時の救出劇を話す。
危険な状態…子猫は脱水症状
この日は35℃を超える「猛暑日」。
子猫は脱水症状を起こし息も浅くグッタリ。危険な状態だった。

後続車の夫婦に付き添ってもらい、夫婦行きつけの動物病院に駆け込んだ。
8人の連携プレーで命が救われた子猫。
家族に迎え入れ 今や一家の中心に
あれから2か月がたち―。
「帆立」は丸山さんが家に迎えた初めてのペットだ。
息子の蒼助さん(小6)は「助けたときの話を聞いて、これは本当に奇跡だなあと思いました」、また、娘の理央菜さん(中3)は「(親には)ずっと『ペットを飼うのはだめ』って言われてたから、なぜこんな(連れ帰る)判断したのか不思議だった」と話す。

家に迎えた理由について、未紗さんは「病院に移動しているとき、目があった瞬間に鳴きやんだんですよ(笑)。鳴きやんでホッとした表情をしたので、家に来たかったのかなと思って」と、優しい笑顔を浮かべた。
今や「帆立」は家族の中心。

部屋や廊下、家じゅうを走り回って元気に遊んでいる。
未紗さんは「家族全員、ただいまの挨拶が『帆立~』になっちゃいました」と、帆立を見つめ微笑んだ。

(長野放送)