福島県郡山市で結核の集団感染が発生し、10月2日までに34人の患者が確認された。またこの事例とは別に、郡山市では男性1人が結核に感染し、接触した約2700人を対象に健康診断などを行うという。

福島県では5年ぶりの集団感染

「結核の集団発生事例に該当すると判断し、10月1日に厚労省に報告しました」
郡山市保健所は、10月2日に会見を開き市民などに注意を呼びかけた。

注意を呼び掛ける郡山市保健所の郡司真理子保健所長
注意を呼び掛ける郡山市保健所の郡司真理子保健所長
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2024年8月に、同じ高齢者施設の関係者でいずれも60代の男性と女性の2人が結核に感染し発病していることが確認された。
その後、この2人と接触があった家族や施設利用者など52人に保健所が健康診断を行ったところ、新たに32人の患者が判明。このうちの2人は発病していた。

提供:国立感染症研究所
提供:国立感染症研究所

一連の患者は34人となったが、発病した4人に重症者はいないという。福島県内の結核の集団感染は2019年以来5年ぶりとなる。

別の事例 接触者は約2700人

一方、この事例とは別に2024年9月13日には、郡山市内の医療機関の60代男性職員が結核に感染し発病。保健所は、この患者と接触した約2700人を対象に、説明会や健康診断を行い、注意喚起を進めていく方針だという。

郡山市保健所の会見(2024年10月2日)
郡山市保健所の会見(2024年10月2日)

2週間以上続く咳は注意

郡山市保健所の郡司真理子保健所長は「結核に感染した1~2割の方は、自分の免疫では抑えきれず結核を発病することになるが、この発病を抑えるために予防内服薬を飲んで発病を抑えることができる」と説明した。
その上で、初期症状は風邪と似ているとして、2週間以上せきが続く場合は医療機関を受診するよう呼びかけている。

薬を飲めば治る病気 結核について説明する郡司保健所長
薬を飲めば治る病気 結核について説明する郡司保健所長

結核は、空気感染により広がるため十分な換気が予防につながる。一方、感染した人のうち8割は発病することなく、周囲の人にうつすおそれはない。また発病した場合でも、結核は「薬を飲めば治る病気」になった。感染を拡大させないためにも、心配な場合は早めの医療機関の受診が大切だ。

(福島テレビ)

福島テレビ
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