イランがイスラエルに180発以上のミサイルを発射し、緊張が高まる中、板橋区で居酒屋を営むイラン出身のマンスールさんは、家族の安否を心配している。
報復の連鎖により、紛争が今後中東で拡大するおそれが高まっている。
無数のミサイルがイスラエルに
2日、取材班が訪ねたのは、東京・板橋区の居酒屋「居酒屋花門」で、“デカ盛りグルメ”を格安で提供するイランの出身のマンスールさん(60)だ。

日本時間2日未明、イランがイスラエルに180発以上のミサイルを発射した。
目的はレバノンの親イラン武装組織「ヒズボラ」の最高指導者殺害に対する報復だとしている。

36年前に来日し、日本人女性と結婚したマンスールさん。
しかし家族や親戚は今もイランに住んでいるため、ミサイル攻撃のニュースを知り、すぐに連絡を取ったという。
マンスールさんは「お母さん、妹弟、みんな向こうにいるので本当に心配。きのうも朝までテレビ電話した。朝までネットのニュースばかり見て目が痛くなっちゃって、目薬買ったくらいニュースを追いかけてる。1個じゃなくて長くなるから2個買ってる」と、紛争が広がり、家族が巻き込まれることへの不安を口にした。

さらに、「イランの人間なので、お客さんから見ると、ちょっと今行くのやめようとか、予約のキャンセルもある。関係ないけど、それは戦争の広がり」と話し、緊張の高まりを恐れつつも、日本のお客さんに自慢の料理を楽しんでもらいたいという思いに変わりはなかった。
新郎新婦にミサイルの光
突如、イスラエルに向けて放たれた無数のミサイルの一報は、すぐさま各国を駆けめぐった。

エルサレムでは1日、「イスラエル全土で空襲警報が鳴り響き、何百万人もの人々が防空壕に避難しました」と報道された。
また、ミサイルを発射したイランの国営テレビもイスラエルへの攻撃について報道した。
「数十発の弾道ミサイルを発射し、イスラエル中心部の重要な軍事・安全保障上の標的を狙った。イスラエルが報復すれば、イランの対応は、より壊滅的で破滅的なものになるだろう」と伝えた。

イスラエル東部のエルサレムでは、プロポーズ中のカップルの上をミサイルが通過した。
新郎新婦の指には指輪が輝いていたが、その上空ではミサイルが光を放っていた。
新郎の母親は「私たちの上でサイレンが鳴り、空には赤い火が見えました」と当時の状況を語り、新婦の父は「これはとても悲しいことです。私たちはこの現状に慣れたくありません」とコメントした。
アメリカのニュースサイトは、イスラエル側が「数日以内に大規模な報復を開始する」と報じていて、報復の連鎖により、紛争が今後の中東で拡大するおそれが高まっている。
(「イット!」10月2日放送より)