10月がスタートし、まだ日中は暑い日もあるが、朝夕は涼しい日が増えてきた。特に気温の変化が大きい秋、そろそろ気になるのが衣替えだ。

秋の衣替えのタイミングは?

地域によって差はあるが、日が落ちると急に気温が低下することもある。肌寒さを感じ始める前に衣替えを行うのがおすすめだ。

目安としては、最低気温が18℃を下回ったら秋の衣替えを始めると良さそうである。ただ、人によって暑さや寒さの感じ方が異なるため、これは目安と考えて衣替えをしよう。

最低気温が18℃を下回ったら秋の衣替えを始めると良さそうだ。ベストタイミングを見極めたい。
最低気温が18℃を下回ったら秋の衣替えを始めると良さそうだ。ベストタイミングを見極めたい。
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秋は、冬に向けて気温が下がっていく時期である。後回しにしているうちに一気に涼しくなることもあるため、最低気温も考慮して、衣替えのベストタイミングを見極めたい。

ただ、最低気温が18℃を下回るようになっても、湿度が高い日は蒸し蒸しと不快に感じることがあるかもしれない。特に台風や秋雨前線の影響を受けて長雨になることもある。秋の衣替えのタイミングの見極めには、気温と合わせて湿度もチェックすると良さそうだ。

都心でも最低気温が18℃以下になるのは10月第2週

衣替えに適した最低気温が18℃を下回るようになるのは、関東地方などでは10月の第2週以降となりそうだ。東京都心では10月10日以降、最低気温が18℃以下になってくる見込み。

地域によって気温の違いはあるので、最新の週間予報を確認し、晴れて空気がカラッとしていそうな日を選び、徐々に秋の装いへとシフトしていく準備をしよう。

衣類の整理と収納をしよう

衣替えの最初のステップは、クローゼットやタンスにある衣類の整理だ。まずは、夏物を一旦収納する前に、着用しないアイテムや劣化したものを見極め、断捨離するのもおすすめだ。また、秋冬に着用する服を取り出し、必要であればクリーニングに出したり、アイロンがけをしたりしよう。

ニットやセーターなどの厚手の服は吊るすより畳んで収納する方が良い
ニットやセーターなどの厚手の服は吊るすより畳んで収納する方が良い

秋冬の服は夏服よりもかさばるため、収納方法に工夫が必要だ。ニットやセーターなどの厚手の服は、吊るしておくと型崩れしやすいため、畳んで収納すると良さそうだ。

さらに、湿気対策として防湿剤を使用したり、防虫剤を入れたりすることで、長期間の保管中に衣類を守ることができる。

寒暖差は服装で調節

特に10月は日中と夜間の気温差が大きいため、重ね着ができるアイテムを準備しておくと便利だ。例えば、薄手のニットやカーディガン、ライトジャケットなどが重宝される。また、気温が不安定な時期には、急な寒暖差に対応できるよう、薄手の上着を持ち歩くのもおすすめだ。

寝具もそろそろ衣替え

寝具の衣替えも、気温の変化に合わせて行うのが望ましい。一般的に、寝具の衣替えは9月下旬から10月上旬にかけて行うのが適しているそうだ。

この時期は、日中はまだ暖かいものの、夜間や早朝には気温が下がり始めるため、徐々に保温性の高い寝具に切り替える必要がでてくる。ただし、地域やその年の気候によっては異なる場合があるため、天気予報を参考にして、実際の気温に合わせて行うと良さそうだ。

●夏用の寝具を整理・洗濯する
寝具の衣替えでは、まず夏用の寝具を洗濯・整理する。薄手の掛け布団やシーツ、枕カバーなど、汗や湿気を多く吸っている可能性が高いので、しっかりと洗濯してから収納しよう。また、日光に当てて乾燥させ、湿気やダニの繁殖を防ぐことも大切だ。

秋冬用の寝具は使用前に一度干したり、洗濯できるものは洗ったりしておくと良い
秋冬用の寝具は使用前に一度干したり、洗濯できるものは洗ったりしておくと良い

●秋冬用の寝具を準備する
秋冬用の寝具は、少し保温性の高いものを選ぶ。例えば、綿やウール、フリース素材の毛布や布団、厚手の掛け布団などが適している。これらも使用前に一度干したり、洗濯できるものは洗ったりしておくと良い。また、使用しない間にダニやホコリが付着していることがあるので、掃除機などで掃除するのも効果的である。

●重ね着のように寝具を重ねる
秋は気温が安定しないため、寝具も重ね着のように調整できるスタイルが便利だ。例えば、薄手の掛け布団に、寒い日には毛布やフリースを追加で使うなど、重ねて使うことで体温調節をしやすくなる。寒さが厳しくなる冬に向けて、徐々に厚手の寝具に切り替えていくのが良さそうだ。

●湿気対策を行う
寝具の収納前には洗濯し、しっかり乾燥させて、湿気や汚れを残さないようにしたい。収納時には防湿剤や防虫剤を活用しよう。特に、押し入れやクローゼットに寝具を収納する際は、風通しの良い場所を確保し、必要に応じて乾燥剤を入れておくことでカビやダニの発生を防ぐことができる。定期的に押し入れやクローゼットに風を通すのもおすすめだ。

保温性のある素材を取り入れよう

秋から冬にかけては、寒暖差で身体が疲れやすくなるため、快適な睡眠は大切だ。このため、季節に応じた素材選びも重要である。

綿…吸湿性が高く、肌触りが良い綿素材は、季節の変わり目におすすめだ。体温を保ちながらも蒸れにくいので、秋の夜に最適である。

ウール…保温性に優れたウール素材の寝具は、冷え込む夜にも対応できる。自然な調湿機能もあるため、湿気が気になる季節にも使いやすい。

フリース…軽くて暖かいフリース素材のブランケットや毛布は、秋の肌寒い夜に手軽に使える便利なアイテムだ。

寝具の衣替えは気温の変化を見極めつつ季節に合った素材や保温性を考慮して行うことが大切
寝具の衣替えは気温の変化を見極めつつ季節に合った素材や保温性を考慮して行うことが大切

寝具の衣替えは、気温の変化を見極めつつ、季節に合った素材や保温性を考慮して行うことが大切だ。秋の夜長を快適に過ごすためにも、適切なタイミングで寝具を替えて睡眠環境を整えよう。

気候変動による季節の不確定性が高まる中で、衣替えのタイミングも個人のライフスタイルに合わせて柔軟に行われることが多くなっている。

また、サステナビリティの観点からも衣替えは大切である。衣類を季節ごとに整理し、大切に長く使うことで、無駄な消費を抑え、環境への負荷を軽減することができる。断捨離を通じて不要な衣類をリサイクルや寄付に回すことも、現代の衣替えの一部と言えるかもしれない。
【執筆:日本気象協会】

日本気象協会
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