10月1日に発足する石破内閣。新内閣の発足を前に衆議院の解散が表明される異例の展開となっている。初入閣の方も多いが、これが果たして「刷新感」として国民に伝わるかどうか。そして総選挙の大義名分は何か?新総裁の賛否を問うだけで良いのか?様々な疑問は残る。30日は株価が急落するなど、“石破ショック”の影響が広がっている。

“犬猿の仲”麻生氏を新設の役職「最高顧問」に

30日午後3時過ぎ、自民党本部で石破総裁は、

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「諸条件が整えば、10月27日に解散総選挙を行いたいと考えております」と総理大臣に正式就任する前に“解散宣言”をし、10月27日に衆議院選挙を行う考えを表明した。

そして、“解散宣言”に先駆けて発表されたのが、自民党内の“石破流人事”だ。

30日に開かれた臨時の総務会では、センターに座る石破総裁の隣に、じっと前を見る麻生副総裁(84)の姿があった。

麻生内閣時代に、石破総裁が“麻生おろし”に動いたことから、“犬猿の仲”として知られる2人。その麻生氏の処遇について、石破総裁は「最高顧問を創設し麻生太郎君をお迎えしたい」と、新たに設けた役職「最高顧問」に任命した。

麻生太郎・新最高顧問は「このたび石破総裁の下、最高顧問という役職を拝命することになりました。全力を挙げて邁進させていただきます」と挨拶した。

そして、麻生氏の後任には、総裁選で石破氏を支援した菅前総理(75)が、麻生氏にかわり「副総裁」に就任した。

注目の“石破流人事”は他にも。

小泉進次郎新選対本部長:
目の前に迫る総選挙において皆さんと一致団結、一人でも多くの方々全員当選目指して頑張りたいと思います。

“選挙の顔”となる選挙対策委員長に、小泉進次郎元環境大臣(43)を起用した。小泉氏が党4役に就任するのは今回が初めてだ。

総務会の最後には、こんなシーンが。

「新執行部の先生方で写真を…」
写真撮影になると、麻生氏は石破総裁に一声かけ、頭を下げたあとに退出した。

「最高顧問! 最高顧問!」と最高顧問を呼ぶ声もあったが、写真撮影に麻生氏は参加しなかった。

三原じゅん子参院議員が子ども政策担当相として初入閣へ
三原じゅん子参院議員が子ども政策担当相として初入閣へ

10月1日に発足する“石破新内閣”の顔ぶれも明らかになり、元女優の三原じゅん子参院議員が、子ども政策担当相として初入閣へ。

一方、火種となりそうな“石破流人事”もあった。かつて安倍元総理を“国賊”と発言し、処分を受けた村上誠一郎氏を総務相に起用。この方針に、ある自民党の議員は「安倍派が反逆するだろう。一番やっちゃいけない人事だ」と語った。

地元での人気の佳子(よしこ)夫人

10月1日、総理大臣に選出される石破総裁。この週末、地元の鳥取で取材に応じたのは…。

佳子夫人:
私を待っててくれたの?

ディレクター:
ずっとお会いしたくて。

佳子夫人:
どうしよう、ありがとうございます。

石破総裁の妻で、地元での人気が高い、間もなくファーストレディーとなる佳子(よしこ)夫人。

支援者:
これ(花束見せて)

佳子夫人:
え、うそー!

支援者:
奥様用なので。石破さんには何も用意していないです。

佳子夫人:
ありがとう!これはいい物をありがとうございます。

投資家からは不安の声 立憲・野田代表「邪道だ」

地元は“石破フィーバー”で盛り上がる一方、投資家からは「みんなボロクソに言ってるもんね。今度の選挙やって、本間に勝てるのかなと思ってますけど」と“石破ショック”で、恨み節を漏らす人も。

石破総裁の経済対策に対する警戒感が影響し、週明けの日経平均株価は、3万8000円を割り込み、一時、下げ幅が2000円を超える場面もあった。

「経済成長の方に向かうような何かがないと、(株価が)上がる気配もないし不安だな」などと、投資家からは不安の声も出る中、“国民の審判を受ける”として、10月27日に総選挙に踏み切る石破総裁。

この方針に、立憲民主党 野田佳彦代表は「おかしいと思いませんか?本来は臨時国会を通じて政治に対する信頼を取り戻すということから始めなきゃいけないのに。私は邪道だと思っております」と野党は反発している。
(「イット!」 9月30日放送より)

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