価格の変動が少ない物価の優等生とも言われる「卵」の高騰が続いている。その背景には、夏の猛暑や外食産業の動きがあるようだ。新潟市のスーパーでは食卓に欠かせない卵をギリギリの値段で販売していた。
物価の優等生“卵”が高騰「毎週毎週上がっている」
新潟市西区のスーパー「いちまん」。新米入荷のポスターが貼られ、コメの品薄は解消されたが、今度は卵の価格に苦慮していた。
この記事の画像(9枚)卵の販売価格を計算する高井栄二朗店長は「去年に比べて、1パック40円くらい値上がりしている。この2カ月くらいで毎週毎週どんどん上がっている感じ」と話す。
この店ではLサイズの卵を2023年より40円高い1パック246円で販売している。(9月26日現在)
JA全農たまごによると、卵の平均卸売価格は7月以降、上昇を続け、9月はMサイズで1kgあたり256円に。鳥インフルエンザの影響を受けて、過去最高だった2023年に次ぐ高い水準となっている。
猛暑や月見フェアが影響…
日本養鶏協会は、猛暑により鶏がエサを食べず、卵が小ぶりだったことや、外食産業が卵を使った月見フェアを実施し、需要が増えたことを要因に挙げている。
こうした中でも、いちまんではこの日、卵のL玉の特売を行い、198円で販売していた。
食卓に必要な卵を手に取りやすい価格で販売したいと週に一度行ってきた特売だが、高騰が続くと「特売は難しい状況になるかもしれない」と高井店長は顔をしかめた。
一方で、買い物客は「大変ですよね。卵は毎日使うし、お弁当にも入れるし…」「卵大好きな小さい孫が2人いる。卵をいっぱい使う」と話した。
長ネギ・秋サケ・即席麺も値上がり…
ただ、値上がりしているのは卵だけではない。猛暑など気候の影響で野菜の価格も上がっていて、中でも長ネギの値上がりが顕著となっている。
この日は1本105円で販売していたが、2023年の売値は3本で198円と値段が跳ね上がっている。
9月は雨が続いたことで収穫量が落ちているという長ネギのほか、猛暑の影響でキャベツ・ダイコン・トマトが軒並み値上がりしているという。
そして、不漁が影響しているのは秋サケだ。秋サケの切り身も2023年は100g・158円で特売していたが、2024年は178円。
さらに、10月からは即席麺が値上がりするという。様々なものの値上がりが秋の食卓を直撃しそうだ。
(NST新潟総合テレビ)