山形市の動物愛護センターに収容された保護ネコの数が過去最多となっている。「つなぎとめた命のバトンタッチを」と、センターでは引き取り手を募っている。
保護ネコの収容数が過去最多に
山形市の動物愛護センター「わんにゃんポート」では、飼い主がおらず、路上などで動けなくなっていたイヌやネコを保護して治療し、里親が見つかるまで世話をしている。
この記事の画像(27枚)しかし今、深刻な問題となっているのが、センターから引き取られる保護ネコの数が減少していることだ。ネコの数に対し、新たに飼い主になってもらうペースが落ちていて、センターの中にネコが残ってしまっているという。
2024年に入ってから8月末までに引き取られたネコは20匹で、明確な理由はわかっていないが、2023年の同じ時期と比べると半分以下となっている。
引き取り手が少ないと数が増え続け、収容スぺースがなくなったり、人手が追いつかなくなったりしてしまう。
9月上旬時点での収容数は41匹で、センター開所以来、最も多くなっている。
山形市健康医療部 動物愛護センター・佐竹優さん:
ケージの数が足りなくなってしまうので、臨時でケージを用意して廊下のようなスペースやイヌの部屋も使っている。本来の用途でない使い方で、ほかの部屋を使わなければならなくなってしまう。
センターでは、「つなぎとめた命をなんとかバトンタッチしたい」と、2019年の開所以来、約5年半殺処分を行っていない。これからネコを飼おうと思っている人には、保護ネコの引き取りもぜひ検討してほしいとしている。
長くいるネコほど「人に慣れている」
一方で、飼い主にとって保護ネコを引き取る際にハードルになるのが、「ネコが心を開いてくれるのか」や「しつけへの不安」。
センターでは、獣医や専門の技術員がしつけや世話をしているため、保護ネコは人懐っこく、実は初めて飼う人でも飼いやすいという。
また、センターを訪ねてくるのは「子ネコから育てたい」という人が多く、「大きいネコ」が残ってしまう傾向がある。動物愛護センターの佐竹さんは、「大きいネコ」ならではの飼いやすさやかわいさにも注目してほしいと話す。
山形市健康医療部 動物愛護センター・佐竹優さん:
大きいネコは1年前から収容されている子もいる。技術員が365日毎日お世話しているので人慣れしている。実際に触れ合っていただくと、よりかわいさがわかると思う。
保護ネコを家族に迎えたい人は、センターで譲渡前講習を受ければ無料で引き取ることができる。講習は毎月12日に行われる。(問い合わせ:023-681-1210)
新しい飼い主には、命を預かることの大変さも理解してもらった上で引き渡されるという。
(さくらんぼテレビ)