75年ぶりの“最強”クラスの台風13号が16日、中国・上海に上陸し、各地で大規模な被害をもたらした。
最大瞬間風速42m/sの強風で建物の壁がはがれ、窓が落下、倒木や停電も相次いだ。
上海では、多数の倒木も確認された。
最大瞬間風速42m/s…倒木、停電が発生
沖縄を通り過ぎた台風13号は、中国の上海に上陸し、75年ぶりの“最強”台風襲来で、被害が相次いでいる。

冠水した道路を車が走り去っていった直後、建物からがれきが落下した。
通りかかったバスはなんとか止まり、被害を免れた。

フィリピンで6人の死者を出した台風13号が16日、中国・上海に上陸した。
上陸時の中心付近の最大瞬間風速は42m/sで、勢力は1949年に上海を襲った台風を超え、最強クラスだという。
この強風の影響で、各地でさまざまな被害が出た。
壁の一部がはがれた建物は、壁がさらにはがれ、逃げ惑う人々のすぐそばに落ちてきた。

危険な瞬間は、別の場所でも目撃されていた。
高層マンションの最上階の窓が風で飛ばされ、そのまま1階の駐車場まで落下した。
この75年の間に、台風が上陸したのはわずか10回という上海。
現地のメディアは、危険と隣り合わせの状況でその猛威を伝えていた。
中国のテレビキャスターは、「今放送のこの画面は、はっきり見えないかもしれません。原因は、われわれのカメラが強風に包まれているのです」と報じた。

さらに、街のいたるところで倒木が発生しており、バイクの目の前で木が倒れ、2車線を完全にふさいだ場所もあった。
現地メディアによると、上海市内では暴風により1800本以上の倒木と、3万軒で一時停電が発生した。
台風の影響は観光にも及ぶ
一夜が明けた17日の様子を見ると、大きな木が根元から倒れていた。

別の木は、幹の真ん中から折れてしまっていた。
相次ぐ倒木で一変した風景の中、バイクを使って撤去した木を運ぶ様子も見られた。
台風の影響は観光にも及んでいる。
中国では「中秋節」という連休のまっただ中だが、チケットカウンターに人の姿はなかった。
15日の夜以降、市内2カ所の空港では約1400便が欠航し、ロビーでは観光客が途方に暮れていた。
市内有数の観光地、上海ディズニーリゾートも台風が直撃した16日は終日営業を休止し、17日は、昼ごろから営業を再開しているが、台風の通過直後には、園内のいたるところで木々が散乱し、倒木も見られた。

上海各地にさまざまな被害をもたらした台風13号は、すでに熱帯低気圧へと変わっている。
一方、大型の台風14号は、比較的速い速度で18日、沖縄・奄美地方に最も接近する見込みで、うねりを伴う高波に警戒し、大雨による土砂災害や落雷・突風に注意が必要となる。
(「イット!」 9月17日放送より)