男性の6人に1人が更年期障害に該当していると言われ、その割合が増加傾向にあるという。原因として、社会的ストレスや「職場で褒められない」など評価の減少が原因となり、適度な運動や趣味、コミュニティ参加が対処法として有効だという。

男性の更年期障害の症状…家族は大丈夫?

男性の更年期障害について、フジテレビ・遠藤玲子キャスターが解説する。

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遠藤玲子キャスター:
更年期障害というと、女性のイメージを持つ方が多いかと思いますが、現在、男性の更年期障害は、6人に1人が当てはまると言われていて、今も増えているということなんです。

男性の更年期障害の症状は、順天堂大学大学院の堀江重郎主任教授によると、「うつや意欲の低下」や「不眠」、「肥満」、「動脈硬化」などがあります。これらは女性の更年期障害にも当てはまりますが、男性特有なものとしては、「頻尿」、「集中力の低下」、「男性機能の低下」などが挙げられます。

どんな人が当てはまるのか「チェックリスト」もあります。「元気がない」「体力(持久力)が低下の」「身長が低くなった」「毎日の楽しみが少ない」「もの悲しい、怒りっぽい」「運動能力が低下した」「夕食後にうたた寝してしまう」「仕事がうまくいかない」「性欲が低下した」「勃起力が弱くなった」という10項目のうち3つ以上を当てはまると、その可能性が高いといいます。

青井実キャスター:
歳をとることで、チェックリストの項目に当てはまることもありますよね。

遠藤キャスター:
男性の更年期障害は、栄養不足など原因はいくつかありますが、順天堂大学・堀江教授によると「社会的な環境変化によるストレスが要因」だったり、「職場で褒められないこと」も原因にあると言われています。

SPキャスター パックン:
社会的な承認が欲しいということなんですかね。

遠藤キャスター:
例えば、会社員が営業の現場を離れて、自分が評価するポジションである管理職になる場合や、昇進や退職などで褒められる機会が減ったり、評価される機会が減ったりすると、更年期障害の要因になってしまうということです。

男性ホルモンの分泌は、「仕事を評価されることが非常に大事」だということです。職場で褒め合ったり、家庭内で褒め合ったり、お互いが褒め合うということも大事だと思います。

自分でできる対処法は?適度な運動や睡眠の質も重要

SPキャスターパックン:
褒めてもらうことは、ある程度誰かにやってもらわないといけないことですが、自らできるような対処法もあるのですか?

遠藤キャスター:
自分でできる対処法としては、例えばウォーキングなどの適度な運動や、睡眠の質を向上させることです。また、趣味などのコミュニティーに参加して、自分に居場所があるんだということをしっかり認識することも重要だと専門家の方は指摘します。

「もしかしたら自分が更年期障害かもしれない」と思った場合には、泌尿器科で血液検査をすると男性ホルモン(テストステロン)の値を調べることができます。自宅でも髪の毛10本を検査キットで郵送して、2〜3週間で結果が届く検査方法もあり、はっきりと男性更年期障害かということが分かるということです。

宮司愛海キャスター:
女性側も、男性の更年期障害があるのだと知ることも大事ですね。

遠藤キャスター:
理解を広げて支援する動きも出ていて、鳥取県では2023年10月から性別年齢問わず更年期障害とみられる症状で、業務が困難な職員に対して、年間5日間の特別休暇の取得などを可能にしています。2024年8月末までで、実際に女性20人、男性10人が取得しました。

SPキャスターパックン:
更年期障害になってからやるのではなく、今のうちに趣味を持ったり、交流をしたり、お互いに承認し合うという予防も大切かもしれないですね。
(「イット!」 9月5日放送より)

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