4日午前、千葉県市原市の国道16号線が約15mにわたり、突然“陥没”。現在も復旧作業が続いています(5日正午現在)。

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「めざまし8」は陥没の1時間前、午前8時15分ごろ、事故現場を走る車のドライブレコーダーの映像を入手。

信号を過ぎた後、右の車線に現れた黒いワンボックスカーに注目すると、何もないはずの道路で、車体が上に跳ね上がっているのがわかります。

通行中に車の後ろが跳ね上がる
通行中に車の後ろが跳ね上がる

陥没現場近くの会社従業員:
通ったときに弾んだっていうんです。多少ゆるんでたんじゃないですかね。ゆがんでるから、ケツがボンって跳ねたっていうんですよね。

陥没の直前に通った車の運転手は、いつもとは違う違和感を覚えたそうです。

それから約1時間後、この場所の景色は一変しました。

4日午前11時半ごろ、上空から捉えた映像には国道16号の道路が2車線にわたり陥没しているのが見て取れます。

「めざまし8」取材班が、陥没が起きた場所へ向かうと…。

田中良幸情報キャスター:
片側2車線の道路ですが両車線とも、合わせて4車線が下に大きく陥没していますね。
2台の重機で崩れたところのアスファルトとその下の部分も、少しずつ取り除く作業が行われています。

田中良幸キャスター:
今ちょうど人が降りて行っていますが、胸くらいまでは深さありますかね。

陥没は、長さ約5.5m、幅約15m、深さは最大85㎝にも及んでいました。

近所に住む人:
僕ずっと(近所に住んで)いるけど初めてだよね。普通だったらあり得ないもん、こんなところが陥没するの。

国道16号は「東京環状」とも呼ばれ、1都3県をぐるりと結ぶ、首都圏の大動脈。災害時の緊急輸送道路にも指定されています。

さらに、現場は工場や倉庫が立ち並ぶ工業地域。国道が午前中から通行止めとなったため、大きな影響が出ていました。

――きょうの仕事は?
陥没現場近くの会社従業員:

もう、止まってますよ。困りますよね。参ってますよ。

付近の生活道路は、迂回してきた大型トラックと住人の車で大渋滞に陥っていました。

田中良幸情報キャスター:
全然この先も進んでないですね。迂回路になっているこちらの道路も…、奥はほとんど見えないくらいまで渋滞してますね。

大雨の翌日…道路陥没の原因は?

道路陥没の原因は、一体何なのでしょうか。

田中良幸情報キャスター:
道路が陥没した場所を見ますと、まさにすぐ脇に用水路のようなものが、ちょうどこの下を通っている形になります。よく見ると、用水路の中には、大量の土砂が流れ込んだ様子が見られます。

市原市では、3日の朝、1時間あたり85ミリの猛烈な雨を観測し、一時避難指示が出ていました。その大雨の影響で、市内の道路では至る所で冠水が発生。

頑丈なはずの国道で起きた陥没。私たちの身近にある道路も、陥没する恐れはあるのでしょうか?地盤システム研究所所長の近久博志さんに、解説していただきました。

田中良幸情報キャスター:
なぜ、ここで陥没が起きたのか?近久先生によりますと、やはりここの道路構造といいます。地図で見ると、国道16号のちょうど下に水路が走ってるわけですよね。この陥没したところと水路が、ちょうどピッタリなんですよね。

地盤システム研究所所長 近久博志さん:
今回ちょうど(陥没は)直線上に水路の真上だけ。アスファルトの下にある土と水路の上のところにある土、そこがすっぽりなくなるとこういう沈下になるっていうのは、考えやすいんじゃないですかね。

MC谷原章介:
構造としては、その道路の下の水路の周りって土だけ?

地盤システム研究所所長 近久博志さん:
コンクリートでちゃんと巻いてあるんですけど、ここは水路と道路がすごく近いですね。水路渡るところ、私らは「かぶり」って言うんですけど、上の道路が交通量多く重量車両が走ってるとどうしても痛みますよね。中にはコンクリートが剥がれ落ちたり穴が開いたりしている状況も考えられるわけですね。

MC谷原章介:
もしかしたら、土管状になっている水路の屋根の上の部分が、何らかの衝撃で亀裂が入っていた可能性もあるということですか?

地盤システム研究所所長 近久博志さん:
可能性はあります。

MC谷原章介:
国道の地下にこのように用水路が埋まっている場所って結構あるんですか?

地盤システム研究所所長 近久博志さん:
あると思います。

MC谷原章介:
これ、なぜ陥没したのが大雨の当日ではなくて、次の日だったんですか?

地盤システム研究所所長 近久博志さん:
これは土の性状によるんですね。例えば、砂のようなサラサラした土だったら、地下に空洞が発生していると、さーっと流れていきますよね。ですが、粘土のような粘性の高い土だと、しばらく穴の空洞があるままの状態にあって、そこに車が通る振動などが加わると(一気に土が)抜けていく…。そんな状況が考えられますね。

MC谷原章介:
なぜ、こんな大動脈で、こういった事故が起きてしまったのでしょうか。

地盤システム研究所所長 近久博志さん:
逆にこういう事故って見たことあまりないでしょう。道路の端の方に穴が開いたとかはあっても、まあレアケースと考えるべきだと私は思っています。普通は、変状なり起こった時の事前の段階で、補修をする状況になってると思いますね。いずれにしても高度成長時代に作ったものが、そろそろ耐用年数にきていると思われます。(「めざまし8」9月5日放送より)