6日、“関西最後の一等地”である大阪・梅田に「グラングリーン大阪」が開業し、広大な都市公園やホテル、商業施設が含まれる再開発地区が誕生する。
専門家は、このプロジェクトが地域発展とインバウンド需要の向上につながると評価している。

梅田に広がる「グラングリーン大阪」開業へ

“関西最後の一等地”で開発が進む新しい街「グラングリーン大阪」が、9月6日に開業する。

大阪・梅田の真ん中に広がる公園
大阪・梅田の真ん中に広がる公園
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関西テレビ・秦令欧奈アナウンサー:
大阪・梅田のど真ん中に、こちらの大きな公園が広がっています。

JR大阪駅北側の“関西最後の一等地”で、開発が進む「グラングリーン大阪」。
駅直結としては、世界最大級の都市公園などを含む再開発地区だ。

商業施設やホテルなどが入る「北街区」とオフィスなどが入る「南街区」からなり、総事業費は約6000億円にのぼり、総面積約9万平方メートルのうち、約半分が公園になっている。

飲食店やホテルなどを報道陣に公開
飲食店やホテルなどを報道陣に公開

9月6日の「先行まちびらき」に先駆けて、3日、飲食店やホテルなどが報道陣に公開された。

たこ焼きモチーフの照明
たこ焼きモチーフの照明

ホテルでは、ヒルトンが日本初進出のホテルブランド「キャノピー」をオープン。
エントランスの照明は、大阪名物・たこ焼きの鉄板をモチーフにしている。

ヒルトンがオープンしたホテル「キャノピー」
ヒルトンがオープンしたホテル「キャノピー」

縁起物の福助人形が飾られた客室は、1泊50600円から、スイートルームは1泊約10万円という。

また、「グラングリーン大阪」の中核機能施設「JAM BASE(ジャム・ベース)」では、さまざまな人や企業、研究機関が集い交わることで、新たなイノベーションの創出を目指す、コワーキングスペースなどが開業する。

大阪府 吉村知事:
グラングリーン大阪は、新しい梅田の顔になるでしょう。新しい西日本の拠点になると思います。

記念式典の様子
記念式典の様子

「グラングリーン大阪」は、9月6日に全体の約4割がオープンし、2027年に全面開業する予定だ。

経済力・交通アクセスの強みがさらに向上

「Live News α」では、大阪公立大学・客員准教授の馬渕磨理子さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
ーー大阪にできる新しい街、どうご覧になりますか?

大阪公立大学・客員准教授 馬渕磨理子さん:
梅田の都市開発によって、大阪が変わります。長年、東京への一極集中が進み、経済的な地盤沈下が指摘されてきました。大阪発祥の企業が、東京に本社機能を移すケースも少なくありません。

今回の大型再開発では、大阪の課題をクリアすることを狙って、東京と比べて少ないとされてきた大型オフィスや高級ホテル、さらには、数百名の参加者が情報交換などを行うカンファレンス会場が充実することになります。

これらはビジネスの集積地として欠かせないもので、さらにインバウンド視点でも有利になります。大阪がよりいっそう、魅力を増しそうです。

堤キャスター:
ーービジネスだけでは語れない「街の魅力」というのもあるかと思いますが、これについてはいかがですか?

大阪公立大学・客員准教授 馬渕磨理子さん:
森ビルのシンクタンクが、全国136の都市を経済・文化・環境など6分野で評価した「日本の都市特性評価」で、大阪市は4年連続で1位です。

具体的には、経済力や交通アクセスの良さのほか、観光誘致活動など、文化・交流の分野でも高い評価となっています。

中でも交通のアクセスは、都市の魅力には欠かせません。これについて、関空へのアクセスなども今後充実していくとしています。関西万博も控えていますし、中長期的な視点での地域発展、インバウンド需要取り込みが望めそうです。

都市と自然の融合で関西経済をけん引する拠点に

堤キャスター:
ーーこれから大阪という街の魅力を、さらに高めていくためのポイントは?

大阪公立大学・客員准教授 馬渕磨理子さん:
オフィスやホテル、商業施設などが入る都市開発に重要なことは、ハードとソフトの両面が融合することです。例えば、成長力のある企業やエンターテインメントを誘致することで、人々は都市の魅力を感じて引き寄せられます。

「グラングリーン大阪」は、ビジネス空間だけでなく、公と民の連携により、緑地公園を中心として、商業や観光などで国内外から人を集めるまちづくりを掲げています。

その狙いが成功するかどうかが、今後の関西経済の浮き沈みを左右することになるかもしれません。

堤キャスター:
大阪というメガシティーで、自然と都市の融合を掲げた新しい街が、人と人の交流の場となり、未来につながる拠点となっていくことを期待したいです。
(「Live News α」9月3日放送分より)