9月2日午前9時半ごろ、東京・港区のビル解体工事現場で、外壁のコンクリート片が落下。

歩行者の誘導をしていた警備員の横山雅則さん(67)を直撃。横山さんは意識不明の状態で搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。

現場近くで勤務する人:
これ(事故)の起こる5分ぐらい前にここ通っていて。
けさ通った時も(解体現場の)中でガラガラガラって、すごい音で落っこちてきているのが聞こえて。怖いですよね。

現場近くで勤務する人:
この辺をしょっちゅう通るんで。自分の頭上からものが落ちてくるんですよね。ちょっと怖いなとは思いました。

「めざまし8」が独自入手した事故直後に撮影された写真には、歩行者が安全に通行するため、車道にもうけられた迂回路に、あおむけで倒れ込む男性の姿が写っています。
現場で何が起きたのでしょうか?
同僚の警備員「話している最中に…」
田中良幸情報キャスター:
実際に建築計画が貼られていますね。着工予定は来年の1月。12階建ての建物を作ろうとしているということが書いてあります。9月2日からは「解体工事」と。今週1週間は全て解体工事となっていますね。

ビルを新築するために行われていた解体工事。
事故現場近くにいた人:
私が来たのは朝8時。そこから間もなく解体の音がバリバリ、ドカドカ音がし始めた。工事し始めた。
解体作業は、2日午前8時半ごろから始まったといいます。すると、その1時間後…。

事故現場近くにいた人:
警備員さんの1人が一生懸命「誰か来てください!」って騒いでいた。
事故の瞬間、横山さんのすぐそばにいたという同僚の警備員に話を聞きました。

一緒に作業していた警備員:
上から解体に伴って多少小さいゴミが落ちてくるので、2人で掃除をしておりました。
ちょうど私と(亡くなった男性で)打ち合わせをしておりました。
「こういうものが落ちてくるから気をつけよう」というを話をしていて、その話をしている最中に直撃した。
コンクリート片の落下の原因について、解体業者は、「現在調査中」としています。
台風影響か?落下物防護柵開かず
田中良幸情報キャスター:
事故直後のままなのか分かりませんけれども、解体工事の現場自体はパネルで全体を覆われていまして、3階から4階部分でしょうか、落下物防止のためのパネルもありますけれども、今見ると1枚だけ斜めになって、それ以外はすべて垂直に壁とくっついた状態になっていますね。

業界用語で「朝顔」と呼ばれる落下物防護柵。これが開いていない状態となっていたのです。
一体どういう状況なのか?1級建築士の岩山健一さんに聞きました。

1級建築士 岩山健一氏:
おとといぐらいに台風が来てましたよね。「朝顔」(落下物防護柵)って開いている状態だと風にあおられるわけですよ。だから、強風が吹くようなタイミングでは閉じておくというのが、これはこれで正しい選択。
作業中は必ず開いておかなければいけないものですが、台風や大雪の際は閉じることもあるという落下物防護柵。

台風を警戒し閉じられたものが、そのままだった可能性があるというのです。

1級建築士 岩山健一氏:
今回はコミュニケーションが足りていなかったのではないかと考えます。「朝顔」(落下物防護柵)が開く前に中で解体が始まってしまったのではないかと。
現場で作業をしていた解体業者によると、事故が起きた午前9時半ごろには、落下物防護柵は全て閉じた状態だったということです。解体作業開始から1時間近く、ずっと閉じたままだったということになります。なぜこのような状態になってしまったのかも含めて、現在調査中だということです。
(「めざまし8」9月3日放送より)