台風10号が日本列島を縦断し、米の収穫に影響を与えている。大分県では田んぼが水没し、収穫作業が遅れる見込みだ。一方、熊本県では稲の品質への影響が懸念されている。台風の影響で野菜の価格も上昇している。
台風10号が米の収穫に影響
列島をゆっくりと縦断する台風10号で、品薄が続く米にも、危機が迫っている。

大分・由布市では29日、あふれた川の水が田んぼに流れ込み、稲が完全に水没。台風10号が、米の収穫にも影響を及ぼしている。取材班が30日に訪れると、田んぼの水没に見舞われた米農家が稲刈りへの影響を心配していた。
ゆふいんフローラハウス・小山和義さんは「9月の第1週の土曜くらいから刈り始めるんですけど、稲が倒れているので、立っている圃場(水田)に比べると、時間は倍くらいかかる」と話している。
水没した田んぼは、一夜で水が引き、心配されていた米の品質には影響はないという。

一方、熊本・菊池市のつるたファーム・霍田崇代表は、比較的倒れにくいというブランド米「ヒノヒカリ」を育てていて、台風の被害はなかったが、「今から稲の花が開く。開いた時に雨が降ったら雑菌が中に入る。もみに細菌病がついて品質が悪くなりやすい。今からが大事な時期」と話している。
猛暑などの影響で野菜も高騰…
心配される農作物は、米だけではなかった。都内のスーパーでは、台風の影響で物流が止まり、値上がりする野菜が出ていた。

スーパーアキダイの秋葉弘道社長は「ブロッコリーとかダイコンなんかは、ちょっと値段が高いところから、さらに2割ぐらい上がった状況なので」と話す。
農林水産省は、猛暑などの影響で「大根」「ジャガイモ」「ピーマン」「ほうれん草」が、9月の1カ月を通して、高くなる見通しだと発表。
今回示された見通しに、台風10号の影響は反映されておらず、今後、野菜価格のさらなる値上がりが心配されている。
(「イット!」 8月30日放送より)