“架空の映画祭”をかたるサイトが複数出現し、各映画館が注意喚起を行う事態となっています。

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シネマ健康会 映画監督・脚本家 松本卓也さん:
作り手の気持ちをちょっと踏みにじるような行為、とても遺憾に思っておりますね。

怒りをあらわにするのは、映画監督の松本卓也さん。 その理由は、あるイベントのホームページにありました。

架空の映画祭のHP ※現在はアクセス不可
架空の映画祭のHP ※現在はアクセス不可

そこに書かれていたのは、「名古屋国際映画祭」の文字。
2025年の1月に開催予定となっています。連絡先とされている住所にある映画館「シネマスコーレ」には、この映画祭についての問い合わせがあったといいます。しかし…。

シネマスコーレ支配人 坪井篤史さん:
ちょっと映画祭の…僕は認識がなくて、「何か間違いじゃないですか」って。

支配人も把握していない「映画祭」。
このホームページは、映画館の住所や写真などを無断で掲載し、巧妙に作られた“偽サイト”だったのです。

シネマスコーレ支配人 坪井篤史さん:
こちらの舞台挨拶で使っていた写真を、あたかも自分たちの映画祭に来ていたゲストのような写真で使われていたんですね。そういう映画祭があってもおかしくないのかな?という感じのホームページにはなっていましたね。

住所や写真を悪用された シネマスコーレは、「架空の映画祭」であるとして、SNSで注意喚起を行いました。

そうとは気がつかず、架空の映画祭にエントリーしてしまった映画監督の松本さん。

映画監督・脚本家 松本卓也さん:
応募するっていうきっかけに特になったのは、メールで「名古屋国際映画祭というやつで、今応募始まりました、(エントリー料)30%オフになります」と。

エントリー料の割引メールをきっかけに、この映画祭について調べたという、松本さん。たどり着いたのは、「偽サイト」でした。

映画監督・脚本家 松本卓也さん:
お世話になっている劇場(シネマスコーレ)が会場なのかなと思って見ていて、審査員の方々は名古屋で活躍されている方々なんだと思って、応募したという形ですね。

その「偽サイト」は、映画祭への出品経験も数多くある松本さんでも気づけなかったほど、巧妙な作りだったといいます。

松本さんは、エントリー料として、日本円で約3000円を支払いました。

なぜ“偽サイト”は作られたのか?

本物の映画館の写真や住所を無断で使用し、あたかも実在するかのようにつくられた、架空の映画祭のホームページ。

なぜ、このような偽サイトが作られたのか、その目的についてITジャーナリストの三上洋氏はこう推察します。

ITジャーナリスト 三上洋氏
ITジャーナリスト 三上洋氏

ITジャーナリスト 三上洋氏:
今回の手口は、映画祭への“エントリー料詐欺”これをかたるものの可能性があります。(公募サイトを通して)全世界に向けてですね、応募をかけるわけですから、その一件、一件について、例えば20ドル前後のお金を取るとしても、かなりの収入にはなると思います。

実は、いま、「名古屋国際映画祭」以外にも、大阪や京都など、架空の映画祭と見られる偽サイトの存在が各地で報告され、映画館などが注意を呼び掛ける事態となっています。

映画監督・脚本家 松本卓也さん:
映画作っているときにいろんな人に、一人でも多くの人に見てほしいという思いで作っています。だからこそ、とても遺憾に思っておりますね。
(めざまし8 8月26日放送)