2024年3月、長野県小諸市の上信越道で車48台が絡み、1人が死亡、30人が重軽傷を負った多重事故で、警察は8月19日までに男女15人を過失運転致傷の疑いで書類送検した。捜査終結まで5カ月を要した稀に見る多重事故。引き金は濃霧だった。

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交通誘導の警察官も巻き込まれる

高速道路上で大破した多数の車。2024年3月1日朝、小諸市の上信越道で合わせて48台が絡む多重事故が発生した。いわゆる「玉突き事故」が連続して発生したとみられ、55歳の男性1人が死亡した他、交通誘導にあたっていた警察官がはねられて大けがをするなど、30人が重軽傷を負った。

小諸市の上信越道で発生した多重事故(2024年3月)
小諸市の上信越道で発生した多重事故(2024年3月)
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濃い霧に「やばいなと」

事故当時、現場付近は濃い霧が立ち込め、視界が悪い状況。現場を通った車のドライブレコーダー映像を見ると見通しが悪く、道路わきには事故を起こしたトラックや車が多く停まっていた。

当時のドライブレコーダー映像(視聴者提供)
当時のドライブレコーダー映像(視聴者提供)

現場を通ったドライバーは「霧がすごくて、前方20~30mくらいの世界でこれはやばいなという状況」と述べた。別のドライバーも「雪で滑って、前も見えないから、どんどんぶつかっていったんじゃないか」と振り返った。

事故当時、現場付近は濃い霧が立ち込めていた
事故当時、現場付近は濃い霧が立ち込めていた

巻き込まれた男性が語った恐怖の瞬間

事故に巻き込まれた男性は「発煙筒が目に入ったから右車線に逃げたが、止まった所へ後から大型トラックが突っ込んできて、自分も前の車を押しちゃって。霧でほとんど視界が見えなかった。ドーンって感じで。前の人が大けがしちゃって」と状況を語った。追突により男性の車はリアガラスが割れるなどし、男性自身も首に痛みがあり、取材の後、病院へ向かった。

小諸市の上信越道で発生した多重事故(2024年3月)
小諸市の上信越道で発生した多重事故(2024年3月)

15人を書類送検 警察「速度を落として走行を」

警察は5カ月余りをかけて事故原因を捜査。8月19日までに、前方不注意で前の車に追突したなどとして、死亡した男性を含む男女15人を過失運転致傷の疑いで書類送検した。死亡した男性を除き、全員容疑を認めているという。

小諸市の上信越道で発生した多重事故(2024年3月)
小諸市の上信越道で発生した多重事故(2024年3月)

警察は濃霧の場合は、危険を回避できる速度で走行し、ライトをつけ、フォグランプなどの装備も使って、事故を回避するよう呼び掛けている。

小諸市の上信越道で発生した多重事故(2024年3月)
小諸市の上信越道で発生した多重事故(2024年3月)

(長野放送)

長野放送
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